【ライターコラムfrom柏】新たな風を巻き起こすコリアンコンビ…活躍認められ“柏から世界へ”

写真拡大

 9月25日、キム・ボギョンとユン・ソギョンが、国際親善試合に臨む韓国代表メンバーに選出された。キム・ボギョンは今夏の新加入、ユン・ソギョンはシーズンスタート時の新加入だが、開幕前の負傷で前半戦を棒に振り、戦列に復帰したのは7月。両者とも、柏レイソルにとってこの夏の戦力的プラスアルファと呼べる存在である。

 韓国代表は6月にウリ・シュティーリケ監督が契約解除となり、7月にシン・テヨン監督が就任した。キム・ボギョンは8月のアジア最終予選の代表メンバーに選出されたが、イラン代表戦、ウズベキスタン代表戦とも出場機会はなく、ユン・ソギョンに至ってはケガの影響もあって代表メンバーにすら入らなかった。

 したがって2人は韓国のワールドカップ出場権獲得を喜びながらも、一方ではそれぞれに忸怩たる思いがあった。最終予選終了後、彼らは自分が置かれている立ち位置を冷静に見つめつつ、今後の代表選出への意気込みを次のように語っていた。

「新しい監督からは組織的なことを求められますし、組織的な要求を自分が消化できるように、理解力を深めていかなければいけないですし、まずはレイソルで結果を残さなければいけない。代表チームより、レイソルで過ごす時間の方が長いので、ここで良い活躍を残すことが代表につながると思います」(キム・ボギョン)

「ケガが理由で選ばれなかったのか、ただ選ばれなかっただけなのかはわかりませんが、自分がこの所属しているチームで毎日頑張ることで代表に行くチャンスを得られると思います。まずはレイソルで結果を残して頑張りたいと思います」(ユン・ソギョン)

 キム・ボギョンは第20節のヴィッセル神戸戦から、ユン・ソギョンは第22節の清水エスパルス戦からスタメンに定着した。柏の外国籍選手は、他にクリスティアーノ、ハモン・ロペス、ディエゴ・オリヴェイラという強力なブラジル人トリオがいる。外国籍の4つの出場枠を巡り、5人の優秀な選手が熾烈なポジション争いを繰り広げる中、このコリアンコンビは現在リーグ戦9戦無敗で3位につけるチームに新たな風を巻き起こしている。今回の代表入りは、彼らが口にしたとおり「柏での活躍」が目に留まっての選出だ。

 年齢はキム・ボギョンが年上だが、その差はわずかに4か月。2人は同世代と言っていい。2009年U−20ワールドカップ、2012年ロンドンオリンピック、2014年ブラジルワールドカップでは、同じ代表メンバーとしてプレーをしてきた。ただ、アンダー世代以来の長い付き合いの中でも、クラブでチームメイトとなるのは柏が初めてである。

 キム・ボギョンは、かつてセレッソ大阪と松本山雅FCで活躍した経験を持ち、日本語も流暢なら日本の文化や生活には馴染みがある。ユン・ソギョンは昨年所属していたブレンビーIF(デンマーク)から柏への移籍が決まったときから独学で日本語の勉強を始め、今では簡単な会話なら通訳を介さなくともできるまでに上達した。現時点で2人とも完全にチームにフィットしたとは言い難いが、彼らのピッチ外の振る舞いや仲間とのコミュニケーションの様子を見ていると、完全融合はそう遠くはない。

 リーグ終盤のラストスパートへ向け、彼らは今回の代表で得た経験を、間違いなくチームの戦いに還元してくれる。コリアンコンビのこれからの活躍が、ますます楽しみだ。

文=鈴木潤