浦和MF柏木、ACL4強突破へ積極性を強調 上海上港は「守備が特に優れていると思わない」

写真拡大

10年ぶりの決勝進出を目指し、アウェーでの第1戦へ意気込み語る

 浦和レッズのMF柏木陽介は、27日に行われる上海上港(中国)とのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)準決勝第1戦に向け、アジアサッカー連盟(AFC)公式サイトのインタビューに登場し、試合への意気込みを語っている。

 柏木は8月23日のACL準々決勝第1戦、川崎フロンターレ戦のウォーミングアップ中に右足内転筋肉離れを発症して試合直前で出場を回避。その後のリハビリを経て今月13日の第2戦には復帰したが、その後のリーグ戦は欠場とコンディション面では苦しんでいる。しかし、この準決勝第1戦に向けてはチームとともに中国入りし、調整を続けている。

 その柏木は、アウェーゲームとACLでの戦いについて、Jリーグとの比較を交えながら好印象を語っている。

「多くのファンがスタジアムに来ると聞いていますけど、日本でレッズと対戦する相手はその雰囲気を楽しんでいるので、僕らにとってもアウェーでのプレーを楽しむチャンスです。日本の多くのチームは守備的にレッズ戦を迎えるけれども、ACLでは特に上海のようなチームとの対戦はお互いに自分たちが何ができるか示そうとするので、厳しい戦いではあるけれども、自分の良さを出しやすいと思います」

 浦和はJリーグでの戦いにおいては、守備的に臨む相手に対して人数をかけた攻撃を仕掛け、カウンターに苦しめられるという試合展開が少なくない。一方で、ACLでは互いに自チームのプレーにフォーカスする傾向があるのは事実であり、ゴールを奪い合うようなゲームも多いが、結果的に浦和が勝利を手にするという形でここまで進出してきた。柏木のようにラストパスを出す選手にとって、敵陣に入った際のスペースが相手選手で埋め尽くされているような状況になりにくいことは、ポジティブな事象だと捉えられる。

「積極的にチャンスを作りにいけば…」

 そして柏木は、元ブラジル代表MFオスカル、同代表FWフッキなどの強力な攻撃陣を擁する上海上港との対戦に、下がって守ることはしないと話している。

「後ろに下がって守ることより、自分たちが積極的にボールを奪いに行くようなことが必要だと思います。僕たちは良い守備をして、できるだけ良い位置でボールを奪い取ることにトライしたいです。彼らは守備面で特別に優れているとは思わないですし、自分たちから積極的にチャンスを作りにいくことがベストになると思います。僕らはアウェーゲームですけど、積極的な姿勢でそういうプレーを試合の立ち上がりからできれば、チャンスがあると思います」

 柏木は最終ライン近くで防衛する守備よりも、果敢なプレッシングでチーム全体が高い位置から守備をしていくことが、勝利の鍵になると語った。これまでのACLの戦いで、AFCのデータでは柏木は4アシスト、14のチャンスクリエイト、87%のパス成功率を残している。「10番」を背負う柏木の左足が輝きを放つほど、浦和にとって10年ぶりの決勝進出は近づくはずだ。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images