6節で早くも2敗を喫したミランのモンテッラ監督。巻き返せるか?(C)Getty Images

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 現地時間9月24日のセリエA6節でサンプドリアに0-2と敗れたミランに、今シーズン初の“犠牲者”が出た。ヴィンチェンツォ・モンテッラ監督が26日、フィジカルトレーナーの解任を発表している。
 
 サンプドリア戦で今シーズン2敗目を喫したミランは、試合後にマルコ・ファッソーネCEOが「姿勢が気に入らなかった」、「言い訳はできない」、「今シーズンは負けに慣れてはいけない」と、次々に厳しい言葉をモンテッラ監督とチームに投げかけた。
 
 周知のように、今年4月に中国資本となったミランは、今夏に多額の資金を投じて大型補強を断行した。それだけに、ファッソーネCEOは一定の戦力を用意したと自負しており、結果を求めている。最低目標は、チャンピオンズ・リーグ(CL)出場権を獲得できるセリエA4位以内だ。
 
 しかし、サンプドリアに敗れたことで、ミランは首位に勝点6差の6位と今ひとつの調子。CL出場ラインとは勝点1差だが、上位8チームで唯一、2敗を喫している。さらに、次節は強豪ローマ(10月1日)と対戦。その翌節には、インテルとのミラノ・ダービー(10月15日)を控えている。
 
 当初の高揚感がしぼむにつれて、不穏な空気も漂い始めた。イタリア紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』は26日、モンテッラ監督の立場が揺らぐ恐れがあると報道。現時点で首脳陣は解任を考えていないとしつつも、ローマ戦とインテル戦が指揮官にとって「テスト」になると指摘した。
 
 ガゼッタ・デッロ・スポルト紙によると、ミランのフロントは今夏にモンテッラ監督と契約を延長する前に、アントニオ・コンテ(チェルシー)、カルロ・アンチェロッティ(バイエルン)といったビッグネームとコンタクトを取っていたとのこと。両監督が後任候補になる可能性も排除できないというわけだ。
 
 25日にファッソーネCEOやマッシミリアーノ・ミラベッリSDとのミーティングに臨んだモンテッラ監督は、流れを変えようとしているだろう。その第一手が、フィジカルトレーナーの解任だった。26日、ツイッターで「ミランの巻き返し。ジャンプアップのためにどうすべきかを考えてきた。まずはフィジカルトレーニングだ」と、エマヌエレ・マーラと決別することを発表している。
 
 マーラはモンテッラ監督がローマの下部組織を率いていたころからの盟友で、フィオレンティーナやサンプドリアでも同監督のスタッフを務めた。だが、野菜中心の食生活を求めるトレーナーには、昨シーズンからすでに一部選手から不満の声が上がっていたとも言われる。
 
 長年に渡って信頼してきたスタッフに別れを告げることで、モンテッラ監督は事態の深刻さと厳しい姿勢を打ち出した形だ。選手たちはそんな指揮官の気迫に応えられるだろうか。まずは28日のヨーロッパリーグ(リエカ戦)、そしてビッグクラブとの連戦で、内容と結果が求められる。