高収入なのに貯金がない「隠れ貧困」からのリカバリー方法

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金銭的に不安があることから、貧困予備軍とも呼ばれている「隠れ貧困」。「教えて!goo」にも「どうしたらいいでしょう?隠れ貧困ってこういうことなのかなと、最近つくづく思います」と、隠れ貧困に関する質問が投稿されていた。そこで今回は、そもそもの隠れ貧困の意味から、隠れ貧困からのリカバリー方法を専門家に教えてもらった。

■隠れ貧困って何?

世間の定義で隠れ貧困とは、「収入はあり、一見裕福そうであるが、貯金ができていない状態」を指すようだ。だが、FPの續恵美子さんはちょっと違った見方をしていた。

「冒頭の教えて!gooに寄せられた質問のように、お金の管理ができず、困窮しているケースもあるでしょう。ただ、私が考える隠れ貧困は、ちょっと違います」(續さん)

續さんが考える「隠れ貧困」についてさらに詳しく聞いた。

「病気・失業・親の介護など予定外の出来事で収入が途絶えたり、減少したり、こうした大きな出費が必要であるにも関わらず、たとえば住宅ローンや子どもの学校などは変えることができない――。つまり、出費が大きいながらも変えることができないため、家計の収支のバランスが崩れ、また、その状態が継続することで、生活が苦しくなることを言うのではないでしょうか」(續さん)

「教えて!goo」の質問では、投稿者の収入だけで家計をまかなっており、毎月赤字とのことだが、續さんいわく、予想外の出費があるにも関わらず、それまでの生活を変えず、貯金ができなくなり、隠れ貧困になるケースの方が深刻であると指摘する。

なぜなら病気・失業・親の介護などは、いずれも早急な解決が困難であるため、長期に渡って貧困状態が続いてしまう恐れがあるからだ。

■家族全体でお金の認識を改める

隠れ貧困のままでは、将来はおろか、毎日の生活もあやうくなる。隠れ貧困からのリカバリーとしてはまずは意識改革が必要だという。

「家族の無駄遣いが多い、お金の管理ができていない場合は、まず家族全員に対し、家計の状況をオープンにし、理解してもらうことですね。家計管理を妻任せ、夫任せにしないことが一番にやってほしいことです」(續さん)

家族全員で現状を認識することが大切なのだ。

■隠れ貧困からのリカバリー方法

「普段からきちんと家計管理をしていたにもかかわらず、予期せぬ事態で隠れ貧困に陥ってしまう場合、支出の見直しをすることが一番です。習い事など削れるものは削る。ローンの借り換えが可能な場合は、ローンの見直しをする。携帯電話、プロバイダ、生命保険等々の家計の固定費が縮小できないか検討し、できるものは縮小するなどがあります。いずれの場合も、家計のムダを省き、無理のない収支バランスを取るように努めることが大切ですね」(續さん)

よく「収入に応じた生活を」と言われるが、節約方法としては一番分かりやすい。毎月の所得を踏まえ、住む家を決めたり、買うものを制限する手法だが、そのコツコツが後に繋がるのだろう。

「一時的な隠れ貧困か、中・長期にわたって貧困状態が続くのかによっても、取れる対策が異なってきます。隠れ貧困にならないように、あらかじめ所得保障、保険、貯金、投資などで、お金に困らないための予防線を張っておくことも大切です」(續さん)

いざという時のために保険、お金をきちんと確保すること。また、毎月の所得ベースを上げることは難しくとも、家庭菜園を始めたり、少しでも安く上げられるよう買い物を工夫したりすることで、毎月の支出を抑えるようにしよう。

現在、隠れ貧困の傾向がある人は、續さんが言っている通り、まずは支出の見直しをしてみてほしい。そして隠れ貧困であることを家族全員で理解し、家計のムダを省き、無理のない収支バランスを心がけよう。

■専門家プロフィール:續 恵美子
南仏在住のファイナンシャルプランナー、CFP(R)。「日本とフランスの繋ぎ役・架け橋FP」として、日本およびフランス生活における家計管理相談および執筆を中心に活動。執筆記事は、連載コラム「身近な経済学」(フランスニュースダイジェスト)をはじめ、Woman Moneyなど多数。

柚木深つばさ(Yukimi Tsubasa)