来場所はさらに番付が上がる阿武咲(写真:共同通信社)

写真拡大

 白鵬、日馬富士、稀勢の里、鶴竜と4横綱が揃い踏みするはずだった大相撲秋場所だが、日馬富士以外の3横綱は初日から休場。横綱も大関も次々と土俵から消えた秋場所は、若手力士たちが鮮烈な印象を残す15日間となった。

 これまでも4横綱時代は短期間で幕を閉じ、その直後に「世代交代」が急ピッチで進んできた。昭和以降14回あった4横綱時代の平均場所数はわずか4.8場所。1999年7月からの曙、貴乃花、若乃花、武蔵丸による4横綱時代は、2000年3月に当時29歳の若乃花が引退し、5場所で幕を下ろした。

 さらに翌2001年1月には曙が31歳で、2003年1月には30歳の貴乃花、同11月に武蔵丸が32歳で引退。その間に、朝青龍が22歳で横綱に昇進(2003年3月)し、モンゴル勢全盛時代の幕が開いた。

「今の4横綱は白鵬が32歳、日馬富士が33歳、鶴竜が32歳、稀勢の里が31歳と、若貴時代より高齢。そう考えると、短期間で若手に“主役”を取って代わられてもおかしくない。秋場所で序盤は“金星配給マシーン”となってしまった日馬富士を見て、白鵬や鶴竜は九州場所も休んだ方がいいか真剣に考え始めているようだ」(協会関係者)

 そして、下克上を狙って秋場所を盛り上げた若手勢には共通点がある。ガチンコ横綱として名を馳せた貴乃花親方に近いグループの部屋で薫陶を受ける力士たちなのだ。

 貴景勝、貴ノ岩はもちろん貴乃花部屋の力士。初日から5連勝して人気が沸騰し、7日目から急遽、国技館の売店で錦絵の販売が開始された阿武咲も、貴乃花一門の阿武松部屋の所属だ。

「大栄翔、大翔丸のいる追手風部屋は、昨年末に伊勢ヶ濱一門から時津風一門に移籍しているが、やはり貴乃花親方に近い。時津風一門では他にも、時津風親方(元前頭・時津海)、湊親方(元前頭・湊富士)、錣山親方(元関脇・寺尾)、伊勢ノ海親方(元前頭・北勝鬨)など、貴乃花親方にシンパシーを覚える親方が多く、所属力士を見ても正代、豊山ら若手の実力派が揃っている」(前出の協会関係者)

 ガチンコ相撲で我が道を進み、土俵改革を掲げてきた貴乃花親方。その現役時代に全力でぶつかり合った若手親方たちは、今も貴乃花親方を慕っているという。一門の枠を超えたそのグループから、着々と若い力が育っているのだ。

※週刊ポスト2017年10月6日号