冷やして食べる代表的な洋菓子である「ババロア」「ムース」「パンナコッタ」。いずれも特徴的な食感と口溶けで人気ですが、これらのお菓子の違いとは何でしょうか。オトナンサー編集部では、日本洋菓子協会連合会の加藤宏実さんに聞きました。

ババロアはフランス、パンナコッタはイタリア

 まず、ババロアはフランス発祥のデザートです。牛乳と卵黄、砂糖を鍋に入れて80度で煮上げ、とろみのあるソースにしたら、ゼラチン、泡立てた生クリームと混ぜて型に入れ、冷やし固めます。

「諸説ありますが、ババロアの原形はドイツ南部のバイエルン地方で古くから飲まれていた温かい飲み物。紅茶やシロップ、牛乳などを混ぜて作られていたその飲み物を、19世紀の料理人であるアントナン・カレーム氏がアレンジし、冷製デザートに仕立てたと言われています」(加藤さん)

 次に、ムースはフランス語で「泡」の意味で、卵黄と卵白、砂糖をメインに、フルーツピューレやチョコレート、香料などを組み合わせて作るデザートです。卵白はほかの材料と混ぜる前にしっかりと泡立てておきます。

「ババロアとは違ってゼラチンを加えずに作られていましたが、現在ではゼラチンが入れられることも多く、両者の違いは明確ではなくなってきています。ただし、ババロアという名前はデザート以外ではあまり使われないようです」

 最後に、パンナコッタは酪農が盛んなイタリア北部発祥のデザート。パンナはイタリア語で「生クリーム」、コッタは「煮る」という意味です。その名の通り生クリームと牛乳、砂糖を火にかけて煮詰め、ゼラチンを加えて固めます。また、ゼラチンの代わりに卵白を用いて作られることも。

「ババロアやムースとの大きな違いは、生クリームを泡立てずに煮詰めて作ること。卵白を使わないで作ったものは真っ白な見た目になるのが特徴です。生クリームを大量に使うので濃厚な味わいを楽しめますが、その分カロリーは比較的高いデザートといえます」

よく似たブランマンジェは何が違う?

 近年、コンビニのスイーツコーナーなどでも目にする機会が増えた、これら3つのデザートとよく似た洋菓子に「ブランマンジェ」があります。

「ブランマンジェは『白い食べ物』を意味するフランス発祥の洋菓子。フランス式の作り方は、砕いたアーモンドから作ったアーモンドミルクと牛乳、砂糖、生クリームにゼラチンを入れて固めます。国によって製法に違いがあり、フランスのブランマンジェとは全く違うお菓子となることも珍しくありません」

 たとえば、英国式は生クリームを使わず、牛乳と砂糖にコーンスターチを加えたものを冷やし固めて作ります。現在の日本では、生クリームと砂糖、洋酒、そこにバニラなどで香り付けした牛乳を混ぜて煮詰め、ゼラチンで固めたものをブランマンジェと呼ぶ傾向にあるようです。

「生クリームとゼラチンが入っている点はほかのお菓子と共通ですが、ブランマンジェは緩めに作ることが比較的多く、口の中で溶けていくような食感が特徴的といえます」

(オトナンサー編集部)