しばらく代表から遠ざかっている金崎だが、その実力に疑いはない。代表のCFに求められるスペックも完備。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

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 最終予選は黒星スタートといきなり暗雲が立ち込めたが、終わってみれば最終節のサウジアラビア戦の前にロシア行きを決めてみせたハリルジャパン。ここからはワールドカップ本大会を見据えたチーム作りが本格化していくが、その第一歩となるのが、ニュージーランド、ハイチと戦う10月シリーズだ。
 
 日本は10月6日に豊田スタジアムでニュージーランドと戦い、4日後の同10日に日産スタジアムでハイチと相まみえる。この2試合で、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は新たな戦力をテストする意向にあるようだが、9月28日に発表されるメンバーにはどんな顔ぶれが並ぶのか。
 
 J1リーグで首位を独走する鹿島の不動のエース・金崎夢生は、そろそろ“復帰”してもいいはずだ。昨年8月、金崎がクラブで途中交代を命じられた際、当時の監督に激怒した一件を、ハリルホジッチ監督は良しとせず、しばらく代表からは遠ざかっていた。
 
 しかし、ロシア行きを懸けた今年のオーストラリア戦&サウジアラビア戦の招集メンバー発表前に、指揮官は金崎の再招集について言及。選択肢に入っているのは間違いなく、非凡な決定力はもちろん、高いキープ力を生かしたポストプレーや、貪欲かつ献身的なチェイシングなど、ハリルジャパンのCFに求められるスペックに問題はない。前線での存在感は、大迫勇也に決して引けを取らない。
 
 その鹿島からもうひとり、候補者として挙げたいのが永木亮太だ。筋肉系の故障でしばらく戦列から離れていたが、9月23日のG大阪戦で先発復帰。奇しくも視察に訪れていたハリルホジッチ監督の眼前で、CKから植田直通の決勝点をアシストとアピールに成功した。
 
 セットプレーのキッカーとして期待できる点に加え、豊富なスタミナを武器に、攻守両面に大きく関与できる馬力も魅力だ。ピッチ全体を縦横無尽に走り回る“ボックス・トゥ・ボックス”タイプとしては国内屈指の実力者で、高い位置からの守備力が重視されるハリルジャパンのインサイドハーフには、まさに打ってつけの人材と言えるだろう。

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 トップ下で新境地を開いたC大阪の山村和也も興味深い。これまでCBまたはボランチでキャリアを積んできた男は、今季はユン・ジョンファン監督の下、よりゴールに近いポジションに抜擢されると、すでにキャリアハイとなる8ゴールをマーク。チームの貴重な得点源として、目を見張る活躍ぶりを示している。
 
 2列目としてのテクニカルなプレーにはあまり多くを望めそうもないが、中盤の守備の強度を高められる存在であり、186センチの長身はセットプレー時に脅威を与えられるはず。トップ下はもちろん、ボランチやCBでも計算できるユーティリティ性は、「23人」(本大会の登録人数)という限られた枠組みの中で重宝されるだろう。
 
 CBの本職では、今年5月のU-20ワールドカップに出場し、国際舞台も経験済みの柏の中山雄太は、将来が楽しみな逸材だ。
 
 希少価値のある左利きで、精度の高いフィードでビルドアップの起点となり、機を見た攻撃参加にもセンスを感じさせる。20歳とは思えない冷静な対応で、最終ラインを引き締めるそのスケール感の大きさは誰もが認めるところ。若手の起用に積極的なハリルホジッチ監督が強い興味をひかれていても不思議ではない。
 
 一方の欧州組では、今夏に日本を飛び出した中島翔哉や、ポーランドからベルギーに新天地を求めた森岡亮太のハイパフォーマンスは、無視できないものになっている。
 
 前者は、ポルトガルのポルティモネンセで出場2試合目にして2ゴールを叩きこめば、続く強豪ポルト戦ではスペイン代表GKのイケル・カシージャスからも得点を奪ってみせた。自慢のドリブルは、テクニックとスピード、ともに現地で高く評価されており、いずれ原口元気や乾貴士を脅かすアタッカーになるかもしれない。
 
 後者は、攻撃をオーガナイズしながら多彩なフィニッシュワークを見せるなど、“ザ・トップ下”というようなプレーをいかんなく発揮し、チームの勝利に貢献。香川真司がまだトップフォームを取り戻せておらず、清武弘嗣も怪我明けという現状を考えれば、このタイミングで一度、試しておきたい。
 
 この他にも、柏で躍動するウイングの伊東純也、横浜への移籍で逞しさが増したボランチの扇原貴宏、スペイン2部のヒムナスティックで研鑽を積むCBの鈴木大輔など、戦力を底上げしそうな新戦力候補は少なくない。ハリルジャパンの新たなサバイバルに注目だ。
 
文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)