GoogleがAndroidの大量展開を自動で行えるように新サービス「Zero-touch enrollment」を発表!

みなさんは普段、Android搭載製品の初期設定を行う場合に普通に手動で設定していますよね?今回は、そういった一般利用者ではなく、企業などのエンタープライズユーザーを対象とした機能については紹介します。

企業では、Android搭載製品を一気に数十〜数百台まとめて導入することがあります。これまでそのような場合にAndroid搭載製品を大規模展開するにはハードルが非常に高く、導入に2の足を踏む状態が続いていました。筆者自身も過去に200台ほどのAndroid搭載製品を手動で設定した苦々しい経験をしています。

そんな中、Googleは21日(現地時間)、こうしたエンタープライズ向けのAndroid搭載製品を簡単に大規模展開できる新サービス「Zero-touch enrollment」を発表しました。

【Zero-touch enrollmentとはどんなサービスか?】


GoogleではこのZero-touch enrollmentについて複数のメーカーの製品が混在した大規模なAndroid搭載機種の展開を素早く、かつ簡単に、そして安全に行えると紹介しています。

特に注目すべき点は、専用の管理ポータルで、購入してきた製品を登録し、ポータルで設定を実施・管理するだけで、自動で登録した製品の設定を行えるという点です。

IT管理者がポータルで設定を行い、製品を自動設定できるため、従業員は製品を受け取ったらすぐに自社向けにカスタマイズされたAndroid搭載製品を利用することができるようになります。これにより、IT管理者にかかるコストを大幅にカットすることが可能となっています。

一方、そんなエンタープライズ向けでは便利なZero-touch enrollmentですが、利用するためには最新プラットフォーム「Android 8.0(開発コード名:Oreo)」を搭載した互換製品または再販業者のパートナーから購入した「Android 7.0(開発コード名:Nougat)」搭載の「Pixel」シリーズとデバイス所有者モードをサポートするエンタープライズモビリティー管理(EMM)プロバイダーが必要となります。

そのため、現時点で具体的に利用できる製品はPixelシリーズのみで、今後数週間のうちに「Xperia XZ1」および「Xperia XZ1 Compact」(ともにソニーモバイルコミュニケーションズ製)、そして「HUAWEI Mate 10」が最初のサポート製品となるということです。

またGoogleではこれらのSonyやHuawei Technologiesのほか、サムスン電子やLGエレクトロニクス、HMD Global(Nokiaブランド)、BlackBerry、HTC、Motorola Mobility、Honeywell、Zebra、Sonimなどを含めた多数のAndroidメーカーと協力してZero-touch enrollmentをサポートするように進めていくとしています。


Zero-touch enrollmentのセットアップ手順の流れを簡単にまとめると、以下の通りとなります。当然ですが、展開したい製品を購入しなければいけませんが、これは後述するパートナーから購入することができます。

1)デバイスの購入
2)デバイスの登録
3)デバイスの設定
4)デバイスの展開

購入してきた製品でZero-touch enrollmentを利用するには、管理ポータルに登録を行い、どのユーザーが利用するか紐付けを行います。そしてEMMプロバイダーで展開する組織向けのポリシーを設定します。最後に製品の展開を行うことで、自動的にEMMプロバイダのポリシーが適用され、組織向けにカスタマイズされたデバイスができあがります。



【Zero-touch enrollmentパートナーにはソフトバンクが!】


またZero-touch enrollmentを円滑に導入できるキャリアパートナーとしてVerizonやAT&T、Sprint Business、T-Mobile、BT、DEUTSCHE TELEKOM、TELSTRAに加え、日本のソフトバンクを含めた8社が挙げられています。

Zero-touch enrollmentを利用するには、対応した製品だけでなく、EMMプロバイダー(製品を一元管理・設定・管理を行うソフトウェア群)が必要となります。そのEMMパートナーとして、名前が挙がっているパートナーには、BlackBerryおよびG Suite、IBM MaaS360、MobileIron、SOTI、VMwareとなっています。

特にVMwareについては、最近エンタープライズ系の話題でも良く目にするようになった「vmware airwatch」が有名でしょう。


このような話は一般の利用者にはいまいちピンとこないかもしれませんが、エンタープライズ向けユーザーにとっては、GoogleがZero-touch enrollmentを発表したことを享受できるメリットが非常に大きく、超朗報なのです。実はiPhoneなどのiOSではすでにエンタープライズ向けユーザーのために大規模展開を行う仕組み「Apple Configurator」を公開しています。

Apple Configurator自体は無料で使えるのですが、Androidと比べてiOS搭載機種は非常に高価なため、導入のハードルは非常に高くなっています。ですが、今回、GoogleがAndroid向けに大規模展開する仕組みであるZero-touch enrollmentを提供したことによって、製品の購入費をかなり削減できるため、今まで組織向けに統一したモバイルデバイスの導入をためらっていたエンタープライズユーザーを掻っ攫える可能性が大いに高まりました。

筆者も200台ものAndroid搭載製品に手動で設定したあの時はいったい何だったんだ……と思えるくらい、今回の発表は衝撃的でした。まだ、英語のページしか用意されていませんが、準備でき次第、ソフトバンクも何かプレスリリースを出してくると考えられますので、続報を期待しながら待ってみたいと思います。

記事執筆:YUKITO KATO


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