「独身の頃からシンプルライフに目覚め、実践してきた」という金子由紀子さん。現在はすっきりとした家に暮らしていますが、過去には知らぬ間にものが増えてしまう時期もあったと振り返ります。「まさに多くのESSE読者と同じ、子育てに追われていた頃。子どもの成長に伴い、オモチャや服、教科書などがすごい勢いで部屋を埋めていくんですよね。意識しないと、ものは勝手に増えるんだと実感しました」。

そこで、学期末や年度始めなどのタイミングで、いらないものを見極め、手放すことを習慣化。そうすることで、ものが減り、暮らしもスムーズに回るようになったそう。「引き算ってただものを処分することでなく、これまでの生活を見直し、過剰なところをそぎ落として部屋も心もすっきり身軽になること。快適に生きるための棚おろしなんです」。

50歳という節目を過ぎてからは「気力も体力も落ちてきて、抱え込んだもの、しょい込んだものの重みにしんどいと感じ始めるようになりました。これからのことを見越して、少しずつ荷ほどきしていくことで、潔く、軽やかに暮らしていくのが私の理想です」。そんな金子由紀子さんに、ものとの向き合い方を伺いました。金子由紀子さんに教わる快適に生活するための棚おろし法

ものから自由になることで、身も心も軽やかに。金子さんはそんな暮らしを目指しています。そのために日々実践していることを教えていただきました。●ポイントやクーポンに振り回されないよう間引く


財布にたまりがちなのが、お店のポイントカードやクーポン。「たいしてたまらないポイントに縛られて買い物するのは不自由極まりない。本当に使う2、3枚以外は処分しました」。おトクだからとお店に買わされ続けるというループを断ち切り、自分の意志で本当に欲しい、必要だと感じたものだけを買い物するように心を整える準備をしておきます。●使わないものは処分!いいものを普段使いに


収納スペースを占領するだけで、ろくに使っていない食器は思いきって処分。「漆塗りの汁椀や江戸切子のグラスなど、心から気に入った少数のよいものを毎日使う方が、ずっと豊かな気持ちになれます」。●流行に飛びつかない


「昔は掃除グッズなど、便利そうな新製品が出るたびに買ったこともありますが、自分のやり方に合うものでないと結局ムダになるんです」。今は高機能な道具より昔ながらのシンプルな道具を愛用。毎日のホコリ払いに活躍するドイツ製のブラシは、もう7年目に突入しました。●代用やつくり替えの知恵を生かす


大きなバッグ代わりに、縛り方で形も起きさも自由自在になるふろしきを活用。「そのほかにも、スカートは買わずに着なくなったセーターをリメイクしてスカートにするとか、経験を生かしてあるものでなんとかする方法を考えます」。●ものに出口をつくって次のもらい手へ


小さくなった子どもの服や遊ばなくなったオモチャ、読み終えた本などは、袋や箱にひとまとめにして一時置きを。「ご近所に譲ったり、児童館に寄付したりと出口を設け、使ってくれる人へとバトンタッチしています」。捨てるのではなく、譲ることで、処分する際に生じがちな罪悪感もなし。ためらうことがないので、スムーズに家のものが「出口」から出て行ってくれます。●タダのものはもらわない

街頭や店で手渡されるティッシュやうちわ、粗品などは、タダだからと家に入れるのを許すと危険。「自分の“好き”の軸からズレた余計なものが家にたまり、ストレスに。断る勇気をもって」。家にものが入ると管理したり、処分したりと、結果的にタダなものにも意外に手間がかかることが。●“安くてたくさん”をやめてみる


「昔は買い物に出かけるたびに、手頃なアクセサリーをいろいろ買っていました。でも、年を重ねた今は、量より質」。アクセサリーも服も、気に入った上質なアイテムが数種あるだけで満足できます。●ものを家に入れる前に捨てる労力を考える

買うのは簡単だけど、ものを捨てるには、分別する手間や時間、場合によっては体力やお金も必要になります。「家電や雑貨など、ものを買うときはそのことも一緒に考えて、今の自分に本当に必要かどうか、見極めるようにしています」。

●教えてくれた人
【金子由紀子さん】
1965年生まれ。出版社勤務を経てフリーランスに。総合情報サイト「All About」でシンプルライフのガイドも務める。著書『40歳からのシンプルな暮らし 「これから」をラクに生きる自分整理術』(祥伝社刊)など