10月シリーズはニュージーランド、ハイチと対戦する日本。強化試合としては疑問符のつく相手だ。写真:徳原隆元

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 苦しみながらも無事に予選を突破したハリルジャパンは、来年のロシア・ワールドカップに向けて、いよいよ本格的に始動するね。10月6日には豊田でニュージーランド代表と、4日後の同10日には横浜でハイチ代表との対戦が予定されている。

 貴重なテストマッチの場となるけど、相手のレベルを考えれば、本大会を見据えた強化試合と捉えていいのか疑問だよ。もっとも、日本がプレーオフに回る可能性もあったわけで、だからこそ慌ただしくマッチメイクしたんだろうけど、それにしても強化という点では多くを期待できそうもないね。日本はコンフェデレーションズカップにも出ていないだけに、現時点では前回大会の準備と比べてもお粗末だよ。

 サッカーが文化として根付いている国であれば、ニュージーランドやハイチを悪く言うつもりはないけど、このレベルの国が相手ならお客さんはあまり入らない。でも、日本では、豊田でも横浜でもスタジアムはいつものように満員になるんだろうね。興行としては大成功だけど、代表の将来を考えれば、いかがなものか。
 
 スタジアムを埋めるファンやサポーターの声援は、力強く選手の背中を押してくれるとは思うけど、みんなただ日本代表という“アイドル”を見たいだけなんじゃないのかな。代表戦ともなれば、いつもお祭り騒ぎだ。ハリルジャパン・コンサートだよ。
 
 仮に今回の10月シリーズであまりチケットが売れなかったとしたら、協会も危機感を覚えて、もっと強い国を呼ぶようになるかもしれない。予算の問題はあるかもしれないけど、そのほうがよっぽど日本代表のためになると思うのは僕だけだろうか。

 ハイチやニュージーランドとの戦いに何を見出せばいいのか。新戦力のテスト? このレベルの相手に活躍したからといって何の意味があるのか。ニューカマーがゴールでも決めれば、“世代交代”とか“ニューヒーロー”と大騒ぎするかもしれないけど、ワールドカップで倒さなければいけない相手はもっと強いんだ。勘違いしてもらっては困るよ。

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 チームの真価を見極めるなら、欧州遠征が予定されている11月シリーズだ。一部報道によれば、ブラジルやベルギーと試合ができるように調整中らしいけど、実現すれば、これ以上ない腕試しになる。
 
 ワールドカップで上位を狙えるような国との対戦は、ハリルジャパンにとって初。国際舞台ではまだまだ下のランクにいる日本が、世界のトップレベルを相手にどれだけやれるかは見物だ。

 とはいえ、苦戦は免れないだろうね。普段から世界を感じてプレーしているはずの海外組で、インパクトのあるパフォーマンスを見せている選手は決して多くない。所属クラブでのポジション争いにさえ勝てない日本人選手が集まっても、ブラジルやベルギーに番狂わせを起こせるなんて、とてもイメージできないよ。

 リーガでは柴崎がバルサから鮮烈なゴールを決めた。でも、試合には勝っていないし、そもそもまだたったの1得点。名門から得点を奪えたことよりも、コンスタントに活躍できているかを重視すべきだ。
 
 残念ながら柴崎はその試合で怪我をしてしまい、1か月以上の離脱を余儀なくされているようだけど、とにかく長い目で見守って、着実にレベルアップしているかどうかを判断すべきなんじゃないかな。

 ヘントの久保もようやく今季初得点を挙げたけど、大事なのはここからコンスタントに活躍できるか。でないと、代表のエースとして信頼は置けないよ。
 
 パチューカに新天地を求めた本田も、相変わらずパッとしないね。香川や原口は出番が少ないし、ロシア行きを決めたオーストラリア戦で価値ある先制ゴールを突き刺した浅野も、ドイツに戻ってからはすっかりその名前を聞かなくなった。

 それでも、そのうちの何人かは、これまで通りに招集されるんだろうね。ピッチという名のステージに立つ選手たちにはネームバリューがあったほうが、コンサートもより一層、盛り上がるだろうから。

 海外組の活躍ぶりは、代表チームの現在地を推し量るひとつのバロメーターにもなる。そう考えると、ハリルジャパンの行く末を案じずにはいられないよ。