「老眼」とはどういうもの? 何歳くらいから始まるの?

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執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ

最近、近くのものが見えにくくなったというあなた、もしかしたらそれは老眼の始まりかもしれません。

では、そもそも老眼とはどのようなもので、何歳くらいから始まるのでしょうか?

10月10日の「目の愛護デー」を前に老眼のことを考えてみましょう。

近くのものを見るしくみ

老眼の初期症状として、近くのものが見えにくくなることが挙げられます。

では、なぜ近くのものが見えにくくなるのでしょうか。

その理由を知るために、まずはものを見るしくみについて説明していきます。

私たちの目には、人やものをクリアに見るために、ピントを調節する機能が備わっています。その役割を担っているのが、レンズの役割を果たす水晶体、毛様体、毛様体小帯です。

私たちの目は通常、遠くのものにピントが合うようになっているため、近くのものをみるときには、水晶体を厚くし、光の屈折力を強くしています。これによって、目の奥にある網膜に対象物の像が結びつき、ピントを合わせることができます。

ただし、水晶体は自力で厚みを変化させることはできません。


毛様体という筋肉を収縮させて水晶体を吊り下げている毛様体小帯を緩ませ、水晶体を厚くすることで近くものもはっきり見ることができるのです。

なぜ老眼になるの?何歳くらいから始まる?

加齢とともに身体にさまざまな変化が起こりますが、目も例外ではありません。その変化のひとつが、水晶体が硬くなる現象です。


加齢によって水晶体が硬くなると、毛様体小帯が緩んでも水晶体の厚みが変化しにくくなり、ピントが合わずに近くのものが見えにくいという状態になります。

さらに、近くのものを見た後に遠くのもの(あるいは遠くのものを見た後に近くのものを見る)を見たときのピントの調節に時間がかかる、本や新聞などを離して読まないと見えない、暗いところでものが見えにくくなる、などの症状が現れるようになります。

日本眼科学会によれば、このような老眼の症状は、一般的には40歳くらいから起こるようになり、45歳くらいから老眼鏡が必要になります。

もともと近視で視力を矯正していなかったり、矯正視力が弱い人の場合、ふだんから近くのものにピントが合っているために、老眼の症状を自覚していないことがあります。

しかし、老眼は自然現象のため、だれにでも起こるものですし、それを止めることもできません。

「老眼かな?」と思ったら

40歳前後(もしくは以降)の方で「最近、近くのものが見えにくくなったな」と感じている人は、まずは眼科を受診しましょう。


もちろん老眼の可能性もありますが、緑内障や白内障といった重大な目の病気が原因となっている場合もあります。

このような病気の可能性を調べるためにも、見えにくさを感じたり、ほかに気になる症状が出ている場合には受診をして、検査をするようにしてください。

また、見えにくいという状態を放っておくと、眼精疲労が蓄積し、頭痛や肩こりなどの身体的な不調を招く可能性があります。このような状態に陥らないためにも眼科を受診することは大切なことです。

眼科で検査を受け、老眼であると診断された場合には、眼鏡やコンタクトレンズなど適切に視力を矯正する方法を医師と相談して決めていきます。

そのさい、自分にとってより快適な方法を見つけるためにも、ふだんの仕事やライフスタイルなどについても伝えると良いでしょう。


ここまで老眼について説明をしてきましたが、最近、20〜30代などの若い世代で老眼のような症状が現れる「スマホ老眼」というコトバを耳にする機会が増えてきました。

このスマホ老眼は、パソコンやスマホなどを長時間使うことが原因と考えられていて、ここまで説明してきた老眼とは異なるものです。

とはいえ、目にとっては良くない状態ですので、見えにくいなどの症状がある人は、ふだんの生活を見直しつつ、症状に合わせて眼科を受診するようにしましょう。

【参考】
・公益社団法人 日本眼科医会『40代で始まる目の老化』(http://www.gankaikai.or.jp/health/37/01.html)


<執筆者プロフィール>
吉村 佑奈(よしむら・ゆうな)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。某病院での看護業務を経て、現在は産業保健(働く人の健康管理)を担当


<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供