触るだけの玩具「フィジェット」なぜ人気? おもちゃ開発者が考察

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2017年、日本ではついつい触り続けてしまうような、感触だけを楽しむ玩具が大流行している。例えば、ハンドスピナーがそうです。

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それらの玩具は総称して「フィジェット」(Fidget)と呼ばれている。目的も技術も存在しない、ただ手遊びのためだけのものがなぜ人気なのでしょうか?

今回は、これまで"プチプチ"を潰し続けられる玩具『∞プチプチ』に携わったり、民芸品とカードゲームを掛け合わせた『民芸スタジアム』を開発したりと、さまざまなおもちゃをつくってきた筆者が、ヒットの理由とともに、最新のフィジェットをまとめてみました。

文:高橋晋平 編集:ふじきりょうすけ

最新のフィジェットを紹介


ハンドスピナー


ぐるぐる回るだけのハンドスピナー



指で回転させるだけの玩具・ハンドスピナー。2017年の春頃に、Web上にて「アメリカで流行中」との記事が出たり、HIKAKINさんをはじめとするYouTuberが紹介したりすると、ECサイトで売れ始め、瞬く間に様々な店舗で陳列されることに。

様々なデザインがあり、価格帯もピンからキリまで。

数百円のものから、高性能ベアリングを使用して長時間回る数万円の高価格製品なども登場しています。

スクイーズ


揉むだけのスクイーズ


押しつぶしたり揉んだりしてやわらか感触を楽しむ玩具・スクイーズ。

様々なデザインのものがあるが、人気があるのはパンやケーキの形をしたマスコットです。

また、ディズニー作品などのキャラクターをモチーフにした商品も多々あり、ガチャガチャ(カプセルトイ)でも同様のふにゅふにゅ感触のマスコットは多く販売されています。

驚くほどの柔らかさが癖になり、たくさん集めてカバンなどに付ける10~20代女性も目立った印象です。

タングル


ぐねぐね弄るだけのタングル


10月6日に株式会社シー・シー・ピーから発売開始される、国内新発売のフィジェット・タングル。

ひも状に繋がった本体を自由にクネクネと動かす、非常に不思議で病みつきになる感触を楽しめます。

この玩具は、1981年に米国の彫刻家、リチャード・X・ザヴィッツ氏により開発されたもので、90度の角度に湾曲している18個の同じ形のパーツだけで構成。

4重に巻かれた基本形をほどいたり、絡ませたり、元の形に戻したりと、手指の赴くままに動かすと、どんどん形が変わっていき、なんとも言えない気持ちよさがあるのが特徴です。

なんと、すでに世界累計1億5千万個以上が販売されているというメガヒット商品です。

なぜ、触るだけの玩具がヒットしたのか?


2017年、感触だけを楽しむ「フィジェット」がヒットしたのは、デジタルガジェットを手指で扱う時間が非常に多くなった現代人に、「フィジェット」が想像以上の快感を与えたことが一因ではないかと筆者は分析しています。

タングルに対していろいろな専門家に考察を求めたところ、予防医学研究者の石川善樹氏は、「情報の多い現代では、人はちょっとした暇に耐えられなくなってきている。このような感触はスマホより健康的で心地よい『癖』になるのではないか。」とコメント。

また、仏教に科学・心理学の立場からアプローチをしている僧侶、井上広法氏は、「数珠はお経を唱えた回数を無意識に数えることができる道具であり、そのことで集中できることが本質だが、触っていること自体でも集中させる効果があると感じる。不規則性のある感触には、脳のリラックスや集中につながる効果があるのかもしれない」と話していました。

現代は「スマートフォン一強時代」であり、常にそれを触ってしまっている私たちにとって、玩具の持つ不思議な"感触"が、新鮮な驚きになっていたのではないでしょうか。

この先、このように"感触"にフォーカスしたプロダクトが、より強く求められる流れが来るかもしれないですね。