議論の的となっているシーン。岡崎(20番)に腕を抑えられていたミニョレ(緑)は対応が遅れ、この後にゴールを奪われた。(C)REUTERS/AFLO

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 今度はリバプール伝説の守備者、ジェイミー・キャラガーが参戦だ。土曜日のレスター・シティ対リバプール戦、岡崎慎司のゴールにまつわる論争である。
 
 ゴール直前のシーン。CKのボールが放たれた瞬間、岡崎がGKシモン・ミニョレの左腕を抑えた。守護神は遅れてジャンプするもほぼボールに触れず、ゴール前にこぼれたところを岡崎に押し込まれたのだ。
 
 このプレーを巡って、英国内では様々な意見が飛び交っている。『BT Sports』の解説を務めたスティーブン・ジェラードが「100%ファウルだ。シモンが不憫でならない」と語れば、リオ・ファーディナンドは「小柄なストライカーなら普通にする動き。彼は上手くやったんだ」と、こちらはやや擁護のスタンス。そしてミニョレ本人は地元紙に、「誤審だよ。自由を奪われた」と苦言を呈した。
 
 では、キャラガーはどんな見解を示したのか。他の解説者とはまるで異なる発想で意見を述べた。
 
 月曜日、英『Sky Sports』の名物ハイライト番組「Monday Night Football」で、持論を展開。「ファウルかどうかを議論してもしょうがない。実際にゴールが入ってしまった。主審がすべてのコンタクトをカバーできるわけではないのだから」とし、「シモンは真面目すぎる! ああいう局面ではもっとラフに振る舞っても良かったはずだ」と、なんとレッズ(リバプールの愛称)の守護神に注文を付けたのだ。
 
 番組ではみずから映像を操作し、得点の数分前のCKでも、岡崎とミニョレが小競り合いをしていたと指摘。「ここでもシモンは主審にクレームを付けているだけだ」と言い、実際にどう対処すべきであったかをジェスチャーを交えて説明した。
 
 キャラガーは、「これまでに見てきたキーパーの動作を参考するなら」と前置きし、両ヒジをしっかり高く上げて、両方の手の平を前方に向けたポーズを取る。要は、捕球する構えでCKのキックに備えろいうことだ。そこで小柄な岡崎がちょっかいを出してくるなら、そのままヒジを横に振って何度か小突いて振り払えばいいと、エルボーを見舞う動きを繰り返した。
 
 仰天のアドバイスである。
 
 小刻みにヒジ打ちを動きを繰り返すキャラガー。このコミカルな仕草を見て大ウケしたのが、同席していた元フランス代表FWのティエリ・アンリだ。「それじゃあ(オカザキの)ノドのあたりに突き刺さるだろ?」とツッコミを入れると、キャラガーは「結果的にそうなるのなら仕方がない。それくらいの激しさでやるべき」と真顔で答え、「コンバット(戦闘)なのだから」と付け加えた。
 
 ともすればエルボーを推奨するような問題発言だが、キャラガーはこうした歯に衣着せぬ言動が人気で、ピッチ上での駆け引きをリアルな体験を元に解説するのが十八番。とりわけ古巣リバプールの選手に対しては、強烈な愛のムチを放つことで有名なのだ。
 
 ただ、気の抜けたプレーをしたかのように叱咤されたミニョレは、たまったものではないだろう。一方、岡崎に対するキャラガーの見解は「上手くやった」というニュアンスで、どちらかと言えばファーディナンドのそれに近いだろうか。
 
 意外にも尾を引いている「腕固め騒動」。何度も何度も繰り返された、岡崎vsミニョレのVTR。次節の両選手のパフォーマンスには、自然と注目が集まりそうだ。