ビビアーニの直接FKなどもあり、SPALはナポリを追い詰めた【写真:Getty Images】

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連勝中ナポリ、昇格組SPALとの死戦を制す

 セリエA第5節終了時点で首位に立っていたナポリとユベントス。ともに5戦5勝と勢いにのっていたが、ナポリは第6節で昇格組のSPALに苦戦。いっぽうでユーベはトリノとのダービーマッチに快勝。ディバラの好調ぶりは特筆すべきものがある。インテルも勝負強さを発揮し無敗をキープ。サンプドリアに完敗のミランとは明暗が分かれた。(文:神尾光臣【イタリア】)

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 セリエAは第6節が終了し、ナポリとユベントスが6戦全勝で共に首位をキープ。前節でボローニャに引き分けるのがやっとだったインテルは、ジェノアに苦しみながらも勝利。一方アウェイでサンプドリアと当たったミランは完敗を喫し、ミラノ勢同士で明暗が分かれた。

 開幕から好調のチーロ・インモービレが牽引するラツィオは、彼の2G1Aの活躍でエラス・ヴェローナに快勝。ステファン・エル・シャラウィが復活の2ゴールを挙げたローマも、上位浮上へと確実に近づいている。

 首位キープを目指すナポリは、フェッラーラに乗り込み昇格組のSPALと対戦。しかしこれが、大変な死闘となった。昨シーズンSPALを49年ぶりのA昇格に導いたレオナルド・センプリチ監督は、綿密に戦術を立ててナポリのポゼッションサッカーを封じ込めに来た。

 自陣でしっかり守備組織を作ってスペースを消し、中盤で猛烈なプレスをかける。そしてボールを奪えば、スピードあふれるカウンターで裏のスペースを突いた。そして13分、速攻を掛けると最後は中盤から攻め上がったベテランMFパスクアーレ・スキャッタレッラがミドルシュートをねじ込み、なんと先制に成功した。

 ナポリはその直後にロレンツォ・インシーニエの華麗なシュートで同点とするが、ホームの大声援に後押しされるSPALは怯まずにゲームプランを敢行。後半に突き放されるもなおも怯まず、78分にフェデリコ・ビビアーニが直接FKを決めて同点とした。

 ただ、これで気落ちしないところは今季のナポリの強さ。ドロー決着の雰囲気も出て来た83分に左SBのファウジ・グーラムが中盤からドリブル突破を敢行。ゴール前まで突き進むと、最後は利き足でない右で正確なシュートをゴールへ流し込んだ。

 死闘を制したナポリだが、途中出場のアルカディウシュ・ミリクが右膝を故障。前十字靭帯の断裂も懸念されており、長期離脱となればチームにとってもかなりの痛手となる。

ユベントス、トリノダービー大勝。ミランはサンプに完敗

 一方同じく開幕5連勝中だったユベントスは、トリノダービーで大勝。早い時間に退場者を出した相手に助けられた部分はあったとはいえ、ゴンザロ・イグアインをベンチスタートで温存させながらも危なげなく勝利を収めた。

 激しい当たりを制するかが勝負の決め手となるダービーマッチにおいて、ユーベは序盤からハイプレスでペースを握る。そして13分、中盤からダッシュしたボールをパウロ・ディバラが持ち込み、正確なシュートを突き刺して先制に成功した。

 追う立場となったトリノは23分、試合開始早々に1枚目のイエローカードをもらっていたダニエレ・バセッリが、ミラネム・ピャニッチに危険なタックルをかまして退場処分となる。事実上、これで勝負は決した。相手が一人少なくなった状況にあり、中盤のプレスとサイド攻撃で試合を支配したユーベはピャニッチのミドルシュートで前半のうちに追加点。後半も楽々試合をコントロールし、最終的には4ゴールを集めて試合を決めた。

 ディバラはこの試合で2ゴールを決め、開幕6試合10ゴールを達成。一方退場で試合を壊してしまったバセッリは、個人のSNSで「ダービーマッチで熱くなりすぎた。チームメイトとクラブ、そしてサポーターの皆さんに謝りたい」とコメントを出している。

 さて前述の通り、ミラノ勢は結果の上では明暗が分かれた。強大補強を果たしたミランはアウェイでサンプドリアに破れ、今季2敗目を喫してしまった。

 新戦力の多いチームを機能させるべく、公式戦3戦で3バックで戦うミラン。開始早々、3バックの主軸であるレオナルド・ボヌッチのミドルパスからイニャツィオ・アバーテがゴール前に飛び出してチャンスを作る。

 しかしその後は、高い位置でのボール奪取から3バックの裏のスペースを狙い撃ちにしたサンプの前に苦戦。チャンスを作っても前線が決めきれず、逆にサンプにはゴールを度々脅かされる中、72分には最終ラインの守備が破綻した。

 相手の右アーリークロスを頭で競りに行ったボヌッチが目測を謝り、これを後逸。バウンドしたボールを後方にいたクリスティアン・サパタが、あろうことかゴールの中央へ折り返すというミスをする。これがサンプFWのドゥバン・サパタの目の前に転がり、楽々とゴールへ押し込まれた。

 これで集中が切れたミランの守備陣は、さらに終盤にもミス。またもC.サパタがルーズボールの処理を誤り、こぼれたボールを交代出場したばかりのリカルド・アルバレスに拾われ、そのままシュートを決められてしまった。

苦しい内容も白星勝ち取ったインテル

 一方、インテルは勝利。ただしこちらも試合内容はかなり苦しいものだった。成績不振でイバン・ユリッチ監督には解任の噂も上がるジェノアは、マンマーク主体の激しい当たりでインテルの攻撃を封じにきた。そしてボールを奪えば、サイド攻撃でチャンスを作る。現在ブレイク中の16歳CFピエトロ・ペッレグリも、前線でタフにプレスをかけつつ果敢にゴールへと迫り、インテルのCB2人に圧力をかけ続けた。

 インテルのルチャーノ・スパレッティ監督はミスの多かったアントニオ・カンドレーバを後半早々に下げ、また俊足の19歳ヤン・カラモーを投入するなど選手交代策で流れを必死に変えようとするが、相手ゴールは割れずに時間はじりじりと経過した。

 しかし、こうなっても集中が切れないのが今季のインテルが違うところ。大詰めの87分、左CKに対してファーサイドから走りこんだダニーロ・ダンブロージオがヘディングシュートを決め、勝利をものにした。

 彼らとは対照的に、ローマの2チームはそれぞれ力の差がある相手との対戦ながら内容でも危なげなく勝利を収めた。

 ラツィオはイタリア代表FWのインモービレがこの日も絶好調。24分にPKを決めて先制すると、前半終了間際には華麗なドリブルからエリア内で3人を抜き、シュートを突き刺して追加点。

 インモービレはなおも止まらず、60分には正確なパスでアダム・マルシッチのセリエA初ゴールをお膳立てした。インモービレもこれで開幕6戦で8ゴールと絶好調。彼の活躍は、ロシアW杯欧州予選プレーオフに回る可能性が高くなって来たイタリア代表の行方も左右する。

シメオネ息子&キエーザ息子が牽引するフィオレンティーナ

 ローマもウディネーゼに完勝。モハメド・サラーをリバプールに引き抜かれ、弱体化が懸念されていた前線には、エル・シャーラウィが復調の兆しを見せている。1点リードで迎えた30分、左サイドに開いたエディン・ジェコと入れ替わるようにゴール中央へと絞ると、ジェコの放ったグラウンダーのクロスを押し込んで今季初ゴール。さらに45分にも、相手DFがこぼしたボールをゴール前で狡猾に拾い、追加点を挙げた。

「縦のスペースを取るのが上手い。彼は私の理想とする選手」と、エウセビオ・ディ・フランチェスコ監督もエル・シャーラウィに信頼を寄せている。第2節でインテルに敗れるなど、スタートダッシュに失敗した感のあったローマだが、リーグ戦はこれで3連勝。悪天候によりサンプドリア戦が延期となった関係で、1試合少ない状態で上位をキープしていることにも留意したい。

 開幕戦でインテルに敗れ、そこからやや歯車が噛み合わなかったフィオレンティーナも、ようやくチームが形となって来た。アタランタとの対戦ではジョバンニ・シメオネとともに新エースとなりつつあるフェデリコ・キエーザの豪快なシュートで先制。その後も古巣との対戦に燃えたGKマルコ・スポルティエッロがPKストップに成功するなど奮闘を見せたが、アディショナルタイムの最後の1分でレモ・フロイラーにゴールを決められ、勝利を逃した。

 サッスオーロとボローニャのエミリア・ロマーニャ州ダービーは、試合終了間際にオルジ・オクポウォンコがロドリゴ・パラシオのシュートのこぼれ球を押し込んでゴールし、ボローニャに凱歌が上がった。これまで格上相手に良い試合を続けながら勝ち運に恵まれなかった彼らにとって、待望の勝ち点3となった。

 キエーボは、代表にも選ばれた経験のあるFWロベルト・イングレーゼの活躍でカリアリに勝利。クロトーネとベネベントの最下位対決は、クロトーネの今季初勝利で幕。今季初めてセリエAに挑戦を果たしたベネベントは、未だ勝ち星に見放されている。

【セリエA第6節の結果】
ローマ 3-1 ウディネーゼ
SPAL 2-3 ナポリ
ユベントス 4-0 トリノ
サンプドリア 2-0 ミラン
カリアリ 0-2 キエーボ
クロトーネ 2-0 ベネベント
ヴェローナ 0-3 ラツィオ
インテル 1-0 ジェノア
サッスオーロ 0-1 ボローニャ
フィオレンティーナ 1-1 アタランタ

(文:神尾光臣【イタリア】)

text by 神尾光臣