中国外交部の陸慷報道官は25日の定例記者会見で、米朝の「口撃の応酬」がエスカレートしていることについて、強い憂慮を表明した。

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中国外交部(外務省)の陸慷(ルー・カン)報道官は25日の定例記者会見で、米朝の「口撃の応酬」がエスカレートしていることについて憂慮を示した。

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米朝間の緊張が高まっている。北朝鮮側が口汚い表現も交えて過激な調子で非難を繰り返すのは従来通りだが、米国側もトランプ大統領がツイッターの個人アカウントで通常の外交では考えられない文言を用いて北朝鮮や金正恩(キム・ジョンウン)氏個人をなじるなどで、事態は一層深刻化しつつある。

中国外交部の25日の定例記者会見では、記者から北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相が23日午後の国連総会の一般討論演説で、「米国全土に我々のロケット(ミサイル)を打ち込むことがますます避けられなくなる」と表明する一方で、トランプ大統領が北朝鮮が「長くは存在できない」と表明したとして、中国は戦争暴発を心配していないかとの質問が出た。

陸報道官は、朝鮮半島情勢について「すでに極めて複雑で、敏感、峻厳だ」と述べた。その上で「各方面」のすべきこととして、国連の北朝鮮制裁を「厳格に、完全に、正確に執行」と表明した。

中国のこのところの言い方を踏襲した形だが、「各方面」に北朝鮮が含まれない言い方であることは注目に値する。また、国連決議の完全な実施と強調していることには、米国などが国連決議以上の制裁を行いつつあることへのけん制があると考えてよい。

陸報道官は続けて、「われわれは関係各方面が、互いに刺激するやり方を続けることをやめ、自制を保持することを望む。感情を排泄することで出口を探してはならず、問題を平和的に解決することを模索すべきだ」と述べた。

陸報道官は、中国政府が現在の米朝の応酬は理性を逸脱しているとして憂慮を示したことになる。しかし北朝鮮の李外相は、中国外交部の25日記者会見後の日本時間同日深夜に米ニューヨークから帰国の途につく際に、トランプ大統領のツイッターへの書き込みを「明確な宣戦布告」などとして米国を改めて強く非難した。

このところ、中国は北朝鮮に影響力を行使できていないとの見方が強まっている。米朝の「口撃の応酬」が一向に収まらないことは、朝鮮半島情勢について中国の「無力さ」を改めて印象付けることになった。(翻訳・編集/如月隼人)