安倍晋三首相は14日、インドの工業都市・アーメダバードでインドのモディ首相と共に高速鉄道建設の起工式を行った。今回、日本が受注するのは、インドに複数ある高速鉄道計画のうち、ムンバイとアーメダバードを結ぶ約500キロメートルの路線だ。完成すれば、所要時間は現在の約8時間から2時間程度に短縮されるという。これに対し、中国メディアの和訊網は15日、日本は赤字覚悟でインドの高速鉄道市場を手に入れようとしていると主張する記事を掲載した。(イメージ写真提供:(C)palinchak/123RF)

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 安倍晋三首相は14日、インドの工業都市・アーメダバードでインドのモディ首相と共に高速鉄道建設の起工式を行った。今回、日本が受注するのは、インドに複数ある高速鉄道計画のうち、ムンバイとアーメダバードを結ぶ約500キロメートルの路線だ。完成すれば、所要時間は現在の約8時間から2時間程度に短縮されるという。これに対し、中国メディアの和訊網は15日、日本は赤字覚悟でインドの高速鉄道市場を手に入れようとしていると主張する記事を掲載した。

 日本がこのプロジェクトを受注したのは、約2年前の2015年12月だ。中国も自国の高速鉄道を売り込んでいたものの、安全性が問題視され選ばれなかったという。日本としては今回の受注を皮切りに、デリー、チェンナイ、コルカタ、ムンバイの4都市でも新幹線の採用を実現させたい考えだ。しかし記事はインドでの高速鉄道建設はコスト回収が難しいと指摘した

 同区間の総事業費は9800億ルピー(約1兆7000億円)で、うち80%は0.1%の低利融資での円借款となる。返済期間は2038年から2072年までとしており、インド側にとっては極めて好条件だ。今までの例では日本の円借款は金利1.5%の25年払いまでが恒例で、今回はより破格の条件ということになる。

 ここまでするには日本にも何かしらの思惑があるはずだ。記事は、日本が「インドのアフリカでの影響力を借りたい」ゆえに破格の条件で受注したと分析。日本は中国の「一帯一路」構想を邪魔しようとしていると危機感をあらわにした。

 政治的な話を抜きにすれば、日本と中国の高速鉄道市場における競争は現在、「技術」での争いとなっているという。ドイツの動力集中方式に対して、日本は新幹線で世界に先駆けて動力分散方式を採用し安全性を高めたと説明し、今後は東南アジア市場においてより厳しい競争が予想されるとした。中国が受注したインドネシアの高速鉄道計画に遅れが見られるなか、日本はプロジェクトを計画どおりに成功させることで今後の中国との受注競争においても大きな追い風となるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)palinchak/123RF)