浦和はACL一本に狙いを定めればいいと語るセルジオ越後氏

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アウェーでの第1戦を落としたチームが、ホームでの第2戦で逆転することは珍しいことじゃない。でも、あらためてサッカーの難しさを感じたね。

アジアチャンピオンズリーグ(ACL)の準々決勝、川崎と浦和のJリーグ勢対決は、第1戦に1−3で敗れた浦和が第2戦に4−1で勝利。2試合合計スコアで5−4と大逆転して準決勝進出を決めた。

川崎の敗因は、やはり前半38分にDF車屋が一発退場したこと。後半に入ると、浦和に一気に流れを持っていかれてしまった。川崎側からすれば判定に納得のいかない部分もあるかもしれないけど、それは言っても仕方のないこと。それよりも問題なのは、その後の鬼木監督の采配だ。

数的不利になったとはいえ、まだトータルスコアで2点リードしている。そこで、いきなりチームリーダーの(中村)憲剛を下げる采配はありえないよ。おそらく守りを固めて逃げ切りたかったのだろう。でも、憲剛はボールをキープできるし、カウンターの起点にもなれる。周囲に指示を出し、相手との駆け引きもうまい。浦和にとって一番いやな存在だった。

同じ中盤の大島もいい選手だけど、憲剛ほどのリーダーシップはまだない。小林や阿部もどちらかといえば周囲に使われる選手。それにもかかわらず憲剛を下げたのは、突然の退場劇に経験不足の指揮官の頭が真っ白になったとしか思えない。

昨季までと同じで、川崎はいいサッカーをしているのに、結局タイトルを獲とれない。厳しいことを言えば、大一番で負けても「ドンマイ、ドンマイ」と優しいサポーターも含めて、本気で優勝を求めるなら何かを変えないといけない時期なのかもしれないね。

一方の浦和は、堀新監督になったからといってチーム状況が劇的によくなったわけじゃない。特に守備は新外国人マウリシオを獲得しシステムも変更したけど、相変わらず不安定だ。

ただ、この逆転劇は大きな自信になったはず。Jリーグの優勝はもう難しいし、割り切ってACL一本に狙いを定めればいい。

準決勝の相手は中国の上海上港。グループリーグでの対戦成績は1勝1敗。ただ、そのときの浦和は好調だったし、第2戦ではオスカルがPKを2度も外すなどラッキーな面もあった。

勝ち抜けのカギは、アウェーの第1戦でどこまで踏ん張れるか。相手はホームの熱狂的な応援を背に、フッキ、オスカルらを中心にイケイケで攻めてくる。反則覚悟のラフプレーもたくさん仕掛けてくる。アウェーの雰囲気にのまれず、相手の挑発に乗らず、いかに冷静に対応できるかだね。

勝てれば最高だけど、引き分けでも上出来。負けてもアウェーゴールを奪って1−2、2−3というスコアなら悪くない。第2戦の埼スタでの逆転は十分可能だと思う。

早いもので浦和のACL優勝から10年、Jリーグ勢最後となるG大阪の優勝から9年がたった。そろそろ日の丸をつけたチームの優勝が見たい。年末のクラブW杯(UAE)に出場すれば、レアル・マドリードや本田のいるパチューカとの対戦が実現するかもしれない。そう考えるとワクワクするよね。

上海のサポーターは熱狂的だけど、僕は浦和サポーターも負けてないと思っている。アウェーでもホームでも、ぜひいつも以上の熱い声援を送って、選手を後押ししてほしい。

(構成/渡辺達也)