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●5年連続のワンツーフィニッシュ

世界最大のブランディング会社、インターブランドが、グローバルにおけるブランド価値評価ランキング「Best Global Brands 2017」を発表した。それによると、ブランド力1位はアップル、2位はグーグルで、このワンツーフィニッシュは5年連続となる。

このランキングは、インターブランドが財務力、ブランドが購買意志決定に与える影響力、ブランドによる将来の利益の確実性などから各企業を分析・評価。その結果からランキングするもので、今年で18回目の発表となる。

○AIテクノロジーがブランド価値を高める

1位に輝いたアップルのブランド価値は、前年比3%増の1,842億ドルとなった。“世界を変える製品を開発する”という姿勢を堅持し、米国内の先端製造技術へ10億ドルもの投資を発表しながら、「Siri」「AI」「自律システム」などへの投資を進めるといった姿勢が評価された。

2位のグーグルのブランド価値は、前年比6%増の1,417億ドル。幅広いセグメントにおいて柔軟に対応していることが評価された。インターブランドでは「Google Home」や「AlPhaGO」といった、AIテクノロジーをその象徴と位置づけた。また「Android」「Chrome」といった既存プラットフォームの強さも評価された。

3位にランクインしたのはマイクロソフトで、ブランド価値は前年比10%増の800億ドルとなった。クラウドへの変換が功を奏したこと、そうした戦略を強く打ち出したサティア・ナデラ CEOへの社内での信頼が高まっていることもポイントとした。なお、マイクロソフトは前年4位からのトップ3入りだ。

以下、20位まで表にしたので確認してほしい(ブランド価値の億ドル未満はすべて切り上げ)。また、次項では、ランクインしたブランドロゴの写真を掲載、さらに急激にブランド力を伸ばしたブランドにスポットライトを当てる。

●48%増を果たしたフェイスブック

上位20は、順位に多少のアップダウンがみられるが、総じて“常連”ともいえるブランドがランクインした。一方で、価値を大幅に上げたブランドもいくつかみられた。

○急激に価値がアップした5ブランド

インターブランドが着目した急成長ブランドは以下の5つ。フェイスブック、アマゾン、アドビ、アディダス、スターバックスの5ブランドだ。

まずフェイスブックのブランド価値だが、前年比48%増の482億ドルとなり、8位につけた。プレイヤーが乱立するSNS市場において、「コネクティビティ」「人工知能」「VR」という3つの戦略分野を発表。長期的な競争優位の源泉を定義したことがブランド価値向上につながったとする。また、「Facebook Stories」といった新機能のように、ユーザーニーズに応え続けた姿勢が評価された。

続いてはアマゾン。ブランド価値は前年比29%増の648億ドルで、トップ5にくい込んだ。「Amazon Prime」のほか、実店舗販売や流通革命といった面で成長戦略を展開。プライベートファッションブランドを立ち上げるなど、ユーザーに新しいブランド体験を提供したのが評価された。

56位にランクインしたアドビのブランド価値は、前年比19%増の90億ドル。デジタルマーケティングのイノベーションへの参加、コンテンツ、データ分析、広告などへの投資がブランド価値向上の理由だという。

アディダスのブランド価値は前年比17%増で92億ドル、順位は55位となった。2020年までのブランド戦略に「Speed」「Key Cities」「Open Source」の3方針を据え、流行の取り込み、市場性の高い都市への注力が功を奏した。

60位にランクインしたスターバックスのブランド価値は、前年比16%増の87億ドル。新CEOのケビン・ジョンソンは顧客体験の向上にフォーカス。新スタイルの店舗や若年層をターゲットにしたドリンクなどで、顧客とブランドの接点を広げた。

また、新たにトップ100にランクインしたブランドが3つある。78位のネットフリックス、84位のセールスフォース・ドットコム、88位のフェラーリだ。フェラーリは2003年以来の返り咲きとなる。となれば、この3ブランドに押し出されたものもある。MTV、ラルフローレン、ゼロックスの3ブランドだ。

●ブランド価値マイナスもトップ10を維持したトヨタ

では、日本のブランドはどうだろうか。トップ100にランクインしたのは6ブランド。トヨタ、ホンダ、日産、キヤノン、ソニー、パナソニックだ。

トヨタのブランド価値は前年比マイナス6%の503億ドル。日本勢で唯一、トップ10入りの7位となった。ブランド価値はマイナスとなったが、これは北米での販売台数伸び悩みや円高、研究開発のための設備投資などにより、財務状況が低下したことが要因。とはいえ、ブランド価値そのものは低下しておらず、次世代環境車などへの期待は大きい。なによりも、自動車業界でナンバーワンのブランド価値を維持しているのが大きなアドバンテージだ。

ホンダのブランド価値は前年比3%増の227億ドル。SUVや新型シビックが好調で、北米や中国での存在感を強めている。エアバックのリコール問題で騒がれたホンダブランドだが、それが一段落して財務的なリスクが低減したことも、ブランド価値向上につながっている。

日産のブランド価値は前年比4%増の115億ドル。自動運転やEVといったテクノロジーにフォーカスし、競合との優位性の向上、差別化に成功した。ランキングとしては39位だが、日産の上位には、トヨタやホンダを含め7つの自動車ブランドがひしめいている。

○コンシューマー向け製品の先行きが不透明なキヤノン

キヤノンのブランド価値は前年比マイナス12%となる98億ドルで、順位は52位。コンシューマー向け光学機器やプリンターの先行きに不透明感があることが大きな理由だ。今後、医療機器やネットワークカメラなど、BtoB領域でいかに存在感を高められるかがカギだ。

ソニーのブランド価値は前年比2%増で85億ドルの61位。事業構造改革に成功し財務体質が改善したこと、メディア事業でのソニー訴求がうまくいったことが挙げられる。一方、パナソニックのブランド価値はマイナス6%で60億ドル、75位となった。BtoB領域でパナソニックブランドが十分な財務成果につながっていないことが影響した。

今回、発表されたランキングではアップルとグーグルが5年連続の強さをみせたが、2000年代前半のランキングでは、アップルは50位前後、グーグルは2005年に初ランクインという状態だった。それが、2000年代後半になるとグイグイとランクアップし、2011年には両ブランドともトップテン入りを果たした。それを考えると、何かのイノベーション次第で、この2強の牙城を崩すブランドが現れるのは、十分に考えられる。