香川真司はレアル・マドリー戦出場なるか。相手は不振に加えて負傷者を抱えており万全とは言えない【写真:Getty Images】

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ホームで迎えるレアル・マドリー戦。連覇の王者は絶不調

 ボルシア・ドルトムントは26日、チャンピオンズリーグのグループステージ第2戦でレアル・マドリーと対戦する。世界最強の陣容を誇りながら、今季は開幕から不振極まる連覇の王者にどう立ち向かうのか。香川真司とドルトムントにとって、ホームで迎える大一番は真の実力を証明するための一戦となる。(取材・文:本田千尋)

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 チャンスはある。9月26日に行われるチャンピオンズリーグ(CL)グループHの第2戦、ボルシア・ドルトムントはホームでレアル・マドリードを迎え撃つ。

 昨季はCL2連覇を達成し、黄金期が到来したかに思えた“エル・ブランコ”だが、ラ・リーガでは波に乗り切れていない。開幕後6試合を終え、3勝2分1敗で5位につけている。

 そもそもコンディションが上がっていないようだ。20日のベティス戦では、序盤から敵の速攻に苦しみ、スローインのボールをそのまま奪われてピンチを招くなど、守備は不安定な姿を露呈。クリスティアーノ・ロナウドは決定機を外し、ダニ・カルバハルのシュートもポストに嫌われるなど、運にも恵まれなかった。そうこうする内に終了間際の94分、アントニオ・サナブリアに最後のチャンスをモノにされ、0-1で敗戦。サンティアゴ・ベルナベウに駆けつけたベティコたちの前にひれ伏した。

 23日のアラベス戦は新戦力ダニ・セバージョスの2ゴールで辛くも勝利。チームとしてのパフォーマンスは低調で、40分には簡単に右サイドからクロスを入れられ、マヌ・ガルシアにヘディングで同点弾を許した。70分には直接FKをクリアしたボールをすんなり拾われ、アルフォンソ・ペドラサのシュートがバーを直撃。あわやの場面だった。

 もちろんシーズンが始まって間もないが、6月のCL決勝でユベントスを一蹴した時のような強さを、マドリーはまだピッチで示せていない。全体的に間延びし、コンパクトな陣形を保つことができない。9日のレバンテ戦で負傷離脱したカリム・ベンゼマに続き、マルセロもベティス戦で左足を痛め戦列を離れた。ドルトムントへの遠征メンバーには入っていない。

 香川真司が「恐らく今、世界で一番強いチーム」と評するように、個々のクオリティは欧州でもトップクラス。決して油断することはできない。しかし現在のマドリーの「チーム状況」を考えると、ドルトムントにも十分チャンスがあると言えそうだ。

「このレベルでどこまでできるか証明したい」

 もっとも、ドルトムントの背番号23は「もちろん相手のチーム状況もあるけど、そこを考える必要はない」と言う。

「僕たちのホームでやるので、ここ2、3年は相手をリスペクトしたビッグマッチが多かったけど、この監督は、おそらくどんな相手でも自分たちが主導権を握る、ましてホームでやるなら、それを徹底してやると思う」

 トーマス・トゥヘル前監督は、格上とみなした相手とのビッグマッチでは、“カウンター型”を採用することが多かった。一方、ペーター・ボス現監督は、昨季CL王者を前にしても「自分たちが主導権を握る」サッカーを試みるようだ。“エル・ブランコ”の調子がイマイチであれば、なおのことだろう。

 そして昨季のビッグマッチで香川は、主に“戦術的な理由”でベンチ外になることが多かった。中盤を省略したカウンター型を採用するにあたって、10番タイプの日本人に居場所はないと、トゥヘル前監督は判断した。しかし、ボス現監督が主体的にボールを保持するサッカーをしようとするのであれば、香川は、先発かどうかはともかく、“戦術的な理由”で少なくともベンチには入るだろう。

「それ(主導権を握るスタイル)は間違いなく自分に合っているサッカーだと思っているので、この中で、さあどこまでできるかっていうのは、みんなが楽しみにしていると思うし、僕自身もこのレベルで、じゃあどうやれるんだっていうのは、証明していきたいですし、それはすごく楽しみなゲームです」

 CLという大舞台で欧州最強と対戦できるのは、またとないチャンス。出場となれば、少し緩んでいるマドリーのバイタルエリアで、何か決定的な仕事を成し遂げたいところだ。

(取材・文:本田千尋)

text by 本田千尋