AIに仕事を奪われた銀行マンの苦悩。融資部門はすでに“リストラ部屋”状態!?

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 人工知能(AI)の進化によって仕事を奪われる――。そんな話を聞いたことがある人も多いだろう。すでに、「ロボットが接客する世界初のホテル」や「ドバイ警察がロボコップを正式採用」など象徴的な事例はあるが、我々の職場にも「AI化」は日々忍び寄っているのだ。ここでは、ある銀行マンの話を紹介しよう。

◆AIが支配する融資部門は一種のリストラ部屋?

「すでにAIの圧迫を肌で感じている」

 そう話すのは、銀行でローン審査を担当してる高橋紀之さん(49歳・仮名)。

「企業としてはアウトソーシングや非正規雇用によってコストを削減してきたわけですが、同じような文脈でAIが導入される、まさに過渡期を味わっています」

 すでに、融資の可否はAIが握っているという。

「ローン希望者の職業や資産に点数をつけて総合評価をするのはAIなんです。私たちはその判断を確認して決済するだけ。重要な判断はプログラムに委ねているわけで、正直、機械に使われているような感覚に襲われます」

 もちろん、ボーダーライン上の申込者もいるが、そこに人情をかませられない事情もある。

「ローン審査というと、それなりの権限があったり、人情でゴーサインを出したりというイメージがありますよね? でも、それも過去の話。消費者金融も含めた各金融機関がしのぎを削っているため、どこも顧客を増やすのに躍起。住宅ローンでさえインターネットで申し込めるように手軽になっており、とにかく顧客数を増やしている。少額融資も含めて、1日30件以上もさばくとなると、一件一件に向き合っている余裕はない」

 そんな職場を“姥捨て山”だと自嘲気味に表現する高橋さん。

「私の部署の多くは、能力や体調の問題で仕事についていけなくなった人員なんです。中には支店長経験者などもいますが、年収は4割減などとすさまじい扱いになる。業務内容の空虚さも伴って、耐えられなくなった同僚を何人も見ていますね」

 このまま飼い殺しにされるより、全面的にAIに置き換えられたほうがラクになるかも……と呟く高橋さんであった。

※9/26発売の週刊SPA!『AI時代に[生き残る人・消える人]の境界線』特集より
<取材・文/週刊SPA!編集部 イラスト/もりいくすお>