「ジッダの歓喜」からおよそ3週間。サウジ代表から去ったファン・マルバイクは、隣国UAEからのオファーにどう回答したのか。(C)Getty Images

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 本拠地ジッダで日本代表を相手に1-0の快勝を収め、3大会ぶりのワールドカップ出場を決めたサウジアラビア代表。チームを率いたオランダ人指揮官、ベルト・ファン・マルバイクは一夜にして国民的英雄となった。
 
 およそ5億円のビッグボーナスを手に入れ、契約も本大会終了まで延長されるだろうと目されていたが……。
 
 予想に反して65歳の智将はこの申し出を固辞。「永住を強いられた」や「いろんな要人が口を挟むようになった」といくつかの理由を上げ、アラブの大国を去った。そして後任に迎えられたのが、予選を同じグループで戦ったアラブ首長国連邦(UAE)のアルゼンチン人監督、エドガルド・バウサだった。日本戦の勝利から9日後の出来事だ。
 
 当初はアラブ両国間による円満移籍と見られていたが、実際のところは揉めに揉めたようだ。ワールドカップ本大会での指揮を執りたいバウサが契約を一方的に破棄し、サウジ側が違約金を支払う形で決着。バウサは今年5月にUAE代表監督に就任したばかりだった。
 
 そこでUAEサッカー協会が次期監督にと白羽の矢を立てたのが、なんとファン・マルバイク。地元紙の『The National』は「ある意味でサウジへの当てつけだろう。彼らが支払っていた報酬より多い、年間およそ300万ドル(約3億3000万円)を提示したようだ」と報じている。
 
 しかし結論から言うと、この交渉は上手く行かなかった。ファン・マルバイクは代理人を通し、「当分はナショナルチームの仕事から離れたい。なによりサウジでの仕事を終えてすぐ隣国には行けない」と、至極真っ当な回答をしたと伝えられている。
 
 もちろんUAEはほかの候補者もリストアップしている。前日本代表監督のハビエル・アギーレ、前アメリカ代表監督のユルゲン・クリンスマン、現ペルー代表監督のリカルド・ガレカ、さらにはルーマニア人のコスミン・オラロイと、錚々たる顔ぶれだ。