村田製作所が商品化した金属面に取り付けることが可能なRAIN RFIDタグ「LXFLANMXMG-003」(写真: 村田製作所の発表資料より)

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 村田製作所は、9月13〜15日に開催された展示会「第19回 自動認識総合技術展」にて、コンビニでの利用を想定したRFID(Radio Frequency IDentifier)のデモンストレーションを展示した。11日には「金属対応のRAIN RFIDタグを商品化」したと発表しており、これを用いて、アルミ箔容器や缶詰などの商品を認識する。

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 RFIDの特徴は、非接触(無線通信)で、データの読取・書換が可能なことである。複数のRFタグを一括で読取や書換できる機能が魅力的で、これを用いてレジ精算を自動化する。また、商品の在庫管理で無駄を省き、商品のトレーサビリティも容易にする。

●コンビニ電子タグ1000億枚宣言

 コンビニ大手5社は4月、2025年までに国内全店舗に無人レジを導入する方針を発表。これは経産省と共同策定した「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」での骨子だ。コンビニでの人手不足解消や商品管理のIoT化などの恩恵があるが、全ての商品にRFIDを貼付するには、留保条件がある。先ず、缶詰やスナック菓子のアルミ箔容器などの金属に対応することと、価格を今の1/10の1個1円程度にすることであり、RFIDには厳しい要求だ。続いて、メーカーがRFIDを貼付し、RFIDでの物流管理ができることも必要である。

●コンビニの世界潮流

 米国では、アマゾンがコンビニに進出し、レジが存在しない店舗を実証実験中だ。商品を手に取ってそのまま店を出れば自動的にネット上で課金されるという「Amazon Go」。AIを駆使して、購入したか否かを判断する。品揃えは、飲料や総菜が中心であるという。

 中国のBingoBoxは、QRコード、RFID、AIを駆使した無人営業のコンビニを展開している。現状の技術でできる範囲を組み合わせての実現であろうか。商品にRFIDを貼付するところは日本と同じであるが、個人認証はQRコード、盗難対策はAIといった具合である。

 最後に日本である。ローソンとパナソニックは2016年12月、業界初の完全自動セルフレジ機「レジロボ」とRFIDの実証実験を開始。パナソニックの動画サイトの実演では、自然な流れである。商品を限定すれば、展開のハードルは低いのであろう。つまり、物流に関する考え方(今のサービスを維持した上での付加価値提供)の違いが影響していると考えられる。

●RFID(村田製作所、金属対応RAIN RFID)のテクノロジー

 金属面へのRFIDの貼付は、RFIDリーダーから放射される電波が金属面で反射することによって、通信が遮断される課題がある。村田製作所は、金属対応RFIDタグの特許技術を活用し、金属面をアンテナの一部として利用したという。

 目視での識別や保管場所の特定が難しいコンテナや工具などの金属物の在庫管理が有力な市場である。並行して、コンビニでのレジ無人化を好機と捉えた横展開であろう。