ミャンマーとバングラデシュの国境地帯に設けられたジャルパトリ難民キャンプで取材に応じた、レイプ被害者のロヒンギャ難民シャミラさん(2017年9月16日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】イスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)のシャミラさん(仮名、25)は、娘の手を取ってその手が白くなるほど固く握り締めながら、ミャンマーの自宅に押し入ってきた兵士らに子どもたちの目の前で集団レイプされた時の様子を振り返った。バングラデシュの難民キャンプでは、このような被害を打ち明ける人が後を絶たない。

 国連(UN)の監視団は、ここ数週間にミャンマーから民族抗争を逃れてきたロヒンギャの中に、レイプや集団レイプの犠牲者が大勢いると報告している。被害者のほぼ全員が、レイプ犯は軍服を着た男らで、ミャンマー軍だったと話したという。

 こういった事例はほぼ間違いなく氷山の一角にすぎないと、専門家らはみている。保守的なイスラム社会の中ではレイプ被害者側が烙印(らくいん)を押されることや、避難場所や食料の確保が困難になることを恐れて、被害を告白できずにいる女性や少女が多くいる可能性がある。

 襲撃後3日間歩き続けてバングラデシュに到着した時もまだ出血が止まっていなかったというシャミラさんは、隣に座った6歳の娘の手を握りながら、「兵士3人全員が私をレイプしました」と涙ながらに語った。「3人が去ってから、子どものうち2人を連れて家を飛び出し、生きるために避難する人々の流れについて行きました」

 襲撃を受けた際に外出していた夫とは、以後一度も会っていない。残る3人の子どもたちの行方も分からない。兵士らが来た時3人は外で遊んでいて、襲われた後には姿が見えなくなっていたという。

■性暴力が「恐怖の手口」に

 国連調査団はロヒンギャ難民のキャンプに入り、性暴力をはじめとするミャンマーでの人権侵害の疑いについて調査を進めている。

 紛争下の性的暴力担当国連事務総長特別代表(SRSG-SVC)を務めるプラミラ・パッテン(Pramila Patten)氏は先週、ミャンマー・ラカイン(Rakhine)州での治安部隊による作戦に「重大な懸念」を表明。

 またパッテン氏は被害者らが、「標的とする集団が逃げざるを得なくなるよう、計算された恐怖の手口」として性暴力が用いられているという印象を受けていることも明かした。夫や男性親族の不在を狙って兵士らが家に押し入り、子どもたちの面前で犯されたと、その体験談はいずれも酷似している。

 国際移住機関(IOM)がバングラデシュのレダ(Leda)キャンプに開設した医療施設で働く女性は、手当てした被害者のほとんどがレイプされる前に殴打されていたと話している。これまでに診た女性の中には、体にあざがあったり、胸や性器に歯形が残っていたりした人もいたという。

 バングラデシュ駐在の国連専門家らは、最近到着した難民の中ではレイプ被害者は減っているとみられるものの、先月25日以降に押し寄せた避難者数があまりに多く混乱状態に陥っていることから、実際の被害規模を把握するのは不可能だと指摘している。
【翻訳編集】AFPBB News