サパタはミラン戦では相手のクリアミスを胸トラップし、右足で豪快な先制ゴールを挙げた。(C)Getty Images

写真拡大

 ウディネーゼでの2年レンタルを終えてナポリに保有権が戻った今夏、コロンビア代表FWのドゥバン・サパタの前には、たくさんのクラブが列をなした。国際的にそこまで名の知れた存在ではないが、破格のフィジカルは高く評価されており、2017年メルカートの「隠れた人気銘柄」だったと言えるだろう。
 
 イタリアでは、サッスオーロへの移籍は成立直前までいった。国外でもスペイン(レバンテ)、ロシア(CSKAモスクワ)などからオファーが飛び込んだ。とりわけ本気だったのが、ジエゴ・コスタ(9月21日にチェルシーからアトレティコ・マドリーへ移籍)も狙っていたトルコのフェネルバチェ。8月のメルカート最終週になって、年俸300万ユーロ(約3億8400万円)を超える高額オファーを提示してきたのだ。
 
 しかし問題は、ナポリが彼につけた値札だった。2000万ユーロ(約25億6000万円)以下では取り合わず、しかも完全移籍以外の条件にも耳を貸そうともしなかった。よって、フェネルバフチェのレンタル料200〜300万ユーロ+買い取りオプション1700万ユーロというオファーを、検討もせず撥ね付けた。
 
 また、新エースを探していたマルセイユも、かなり粘り強くナポリを説得し続けた。しかし条件は折り合わないままで、結局は最後の最後にベンフィカからコンスタンティノス・ミトログル(ギリシャ代表)を彼らは獲得した。
 
 そして、最終的にナポリとサパタの双方が首を縦に振ったのは、サンプドリアからのオファーだった。来夏の買取り義務付きのレンタルという事実上の完全移籍で、総額は2000万ユーロだった。
 
 新天地でサパタはデビューゲームだった9月17日のトリノ戦で1ゴールを挙げると、24日のミラン戦では豪快な先制点を奪取。大型補強で話題になったロッソネーロに、今シーズン2つ目の土を付けることに大きく貢献したのだ。
 
 望み通り2000万ユーロを手に入れたナポリはもちろん、継続的な出場機会を求めていたサパタ、ローマに去ったパトリック・シックに代わる得点源が欲しかったサンプドリアと、今のところ3者全てが満足するディールとなっている。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にジョゼップ・グアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。