「ISに入ろうぜ」の冗談で懲役刑に(画像は『Shanghaiist 2017年9月22日付「Man sentenced to 9 months in prison for joking ‘come join ISIS with me’ on WeChat group」』のスクリーンショット)

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テロ対策に非常に真剣にならざるを得ないこの世の中、自分の国が厳しい監視社会で当局も怖いとわかっているなら、この手のジョークが禁忌であるとは思わなかったのだろうか。中国である男が「イスラム国(IS)」に関するジョークを放って投獄された。厳しいことに懲役9か月の実刑判決を言い渡されたという。

事件が起きたのは北京市昌平区にある賃貸のアパートで2016年9月4日夜のこと。『WeChat』のあるグループに、Zhang Qiang(仮名=31)という出稼ぎ労働者が意外な写真とともに参加した。それはイスラム過激派組織「アルカイダ」の司令塔であったウサマ・ビンラディン。「おっ、スゴイ男が入ってきたな」というメンバーの反応に調子づいたZhangは、「君たちもISに入らないか?」というジョークを放ったのだ。

メンバーがこれにドン引きして退散したためチャットはそこで終了したが、その約1か月後という10月13日、Zhangは「反テロ法違反」容疑につき昌平区公安局により逮捕されてしまった。携帯電話とコンピュータが押収され、怪しいデータは何も保存されていなかったにもかかわらずZhangは起訴されてしまった。『WeChat』で放ったIS勧誘のジョークだけが理由だという。

そして今年5月のヒアリングを経て6月13日、北京市第一中級人民法院はZhang被告に懲役9か月の実刑判決および17,000円ほどの罰金刑を言い渡した。この件を『工人日報(Workers' Daily)』に明らかにしたのはZhang被告の弁護士で、彼は「中国では全ての人が公の場での言動、あるいはオンライン上での言葉に気を付けるべきです」との警告を添えている。中国からも若者ら100人以上がISに参加したとみられており、戦闘員としての洗脳と訓練を受けて極秘に帰国する人物への警戒感は非常に強い。SNS上の単なる戯れ、ジョークと判明してもそれを許さない中国当局の厳しさには驚くものがあるが、自分の身は自分で守るしかない。警察の職質を受けるようなつまらないことはしない、言わない、これに限るようだ。

画像は『Shanghaiist 2017年9月22日付「Man sentenced to 9 months in prison for joking ‘come join ISIS with me’ on WeChat group」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)