ペルー・リマで開かれた国際オリンピック委員会(IOC)の第131次総会で報告書を読み上げる世界反ドーピング機関(WADA)のクレイグ・リーディー会長(右、2017年9月15日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】世界反ドーピング機関(WADA)は24日、同機関の職員がモスクワ(Moscow)を訪れて反ドーピングプログラムの進行状況を監査する準備を整えているなか、ロシア側は組織ぐるみでドーピングを行っていたことを「公式に認める」必要があると警告した。

 WADAの独立調査官、リチャード・マクラーレン(Richard McLaren)氏が2016年に発表した報告書によると、ロシアでは2011年から15年にかけて、国家主導のドーピングが横行していた疑いがあると指摘されていた。

 調査によると、ロシアでの不正は黒海(Black Sea)沿岸の都市ソチ(Sochi)で開催された2014年のソチ冬季五輪をピークに行われており、同国の諜報(ちょうほう)機関である連邦保安局(FSB)が巧妙なドーピングシステムを構築していたとされている。

 これを受けてロシア反ドーピング機関(RUSADA)は「(規則に)非従順」であると宣告され、同国の陸上選手は2016年のリオデジャネイロ五輪の出場を禁止された。来年2月に韓国・平昌(Pyeongchang)で開催される冬季五輪へのロシアの出場も依然として不透明な状況のなか、WADAの審査委員会は24日、RUSADAが資格回復するための条件として、3つの条件を提示した。

■ロシアの反ドーピング機関は、マクラーレン氏の調査報告書の内容について公式に認めること。

■適切な第三者に対し、ロシア政府はモスクワの検査所に保管されている尿サンプルへのアクセス権を与えること。これらの検体は連邦調査局による検査で開封されるものとする。

■RUSADAは2017年9月25日の週に実施される予定のWADAの監査を受け入れること。

 今月初めにペルー・リマ(Lima)開かれた国際オリンピック委員会(IOC)の総会では、17か国の反ドーピング機関がロシアの五輪出場を禁止するべきであると訴え、IOCの「静観的な姿勢」を批判した。

 WADAのオリビエ・ニグリ(Olivier Niggli)事務総長は「2015年11月以降、WADAとその協力機関は、ロシアが信頼を回復して継続的な反ドーピングプログラムを進め、国の内外でクリーンな選手を確実に保護できるように懸命に努力してきた」と評価している。

「それと同時に、ロシアでドーピングの不正行為が横行し、特定のアスリートがその恩恵を受けていたことが改めて確認されたマクラーレン報告書が公表された2016年12月以降、WADAは各国際競技連盟(IFs)をはじめ、影響力のある関係機関への支援と監視を続け、特定のアスリートに対する反ドーピング規則違反(ADRVs)の有無について可能な限り確認を行っている。われわれは揺るぎなく、(法令順守の基準となる)計画表の完成を追求している」
【翻訳編集】AFPBB News