アイドル・シンガーからアーティストへ……深みのあるメロウ・チューン / 「ファインド・ユー」ニック・ジョナス(Song Review)

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 2017年9月14日にリリースされた、ニック・ジョナスの新曲「ファインド・ユー」(Find You)のミュージック・ビデオが18日に公開された。

 砂丘を彷徨いながら、デニムのジャケットを着て思い耽るように歌うニック。展開は面白味に欠けるが、コバルトブルーの空との配色がすばらしく、見ているだけで映像に惹きこまれてしまう。後半には、浜辺で踊る若者のグループに交るも、1人浮かない顔で何かを探し続けるように輪の中をくぐり抜けていく。

 この曲は、「どこに行けば君を見つけられるかわからない」と、離れ離れになった“誰か(何か)”について歌われたナンバーで、誰もいない砂漠でも、人が集まっている場所でも、どこを探しても見つからない……という歌詞の内容が、ビデオでも表現されている。ニック自身も、「愛を探すことと深く関わっている曲」だとインタビューに答えている。

 この切ない歌詞に乗せた哀愁感漂うメロディと、ニックのか細く切ないボーカルが、曲の世界観を見事に描いている。2014年の大ヒット曲「ジェラス」の頃から、そのボーカルには定評があったが、3年の時を経て、さらに説得力や深みが増したように思える。ただ、甘くカッコイイだけのアイドル・シンガーから、アーティストへ……。

 アメリカよりもイギリスをはじめとしたヨーロッパ諸国を意識した、親しみやすくキャッチーなメロディと、ゼッドやカルヴィン・ハリスの全盛期を思わせる、80年代っぽいエレクトロ・サウンドが、新しいようで懐かしい感覚を覚える。その懐かしさが、どこか曲の切なさを表現しているのかもしれない。

 制作陣は、兄・ジョー率いるDNCEの「オールモスト」や、CMでもヘヴィプレイされている、カーリー・レイ・ジェプセンの新曲「カット・トゥ・ザ・フィーリング」などを手がけたサイモン・ウィルコックスと、エストニア出身の女性シンガーソングライター=ケルリや、スウェーデンの歌姫・ロリーンなどを担当している音楽プロデューサーチーム=Jack&Cokeがクレジットされている。Jack&Cokeは、同曲のプロデュースも担当。

 ニックは、5月26日にマイク・ポズナーとアン・マリーが参加したシングル「リメンバー・アイ・トールド・ユー」をリリースしたばかり。2016年6月にリリースした『ラスト・イヤー・ワズ・コンプリケイティッド』から、アルバムは発売されていない。「リメンバー・アイ・トールド・ユー」と、新曲「ファインド・ユー」が収録される予定の4thアルバムは、年内に発売されるだろうとメディアが報じている。


Text: 本家 一成

◎リリース情報
「ファインド・ユー」
ニック・ジョナス
2017/9/14 RELEASE