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●香ばしき45円の焼きだんごに巨大な国分寺ロール! 肉肉しいハンバーガーも

東京にも、いくつか「寺」が付く地名がある。その文字だけで、何やら重厚な時の流れを感じずにはいられない。そんな街のひとつ「国分寺」をちょっと歩いてみようという軽い気持ちで訪れてみたら、意外や意外、「ここはどこだ!?」と思うような山奥に紛れ込んでしまった。

とは言え、やっぱり東京であるからには、食べ歩きスポットやオシャレカフェも結構ある。今回は、日本昔ばなし的な情緒+イマドキな東京の顔を併せ持つ「国分寺の旅」を紹介しよう。

○立地は意外と都心

国分寺駅があるのは国分寺市。新宿からJR中央総武線で20数分程度の、なかなか便利な立地である。国分寺を大雑把に把握するなら、北口は食べ歩きスポットがあり、南口は歴史&自然満喫スポットと考えるといいだろう。

現在、駅周辺は再開発の真っ最中にあるため、特に北口周辺は殺風景に感じるかもしれない。タワー型のマンションやアパートが多い割には、商店街に「地元のお惣菜」のようなお店はあまり見られず、いわゆる都心で有名な◯◯銀座商店街などのような、食べ歩きアイテムがぎゅうぎゅうでワイワイな雰囲気はない。

しかしここで、「え、国分寺ってつまんないかも」と思うのはまだ早い。逆に、◯◯銀座商店街にはないものが、国分寺にはいろいろとあるのだ。

○独特なものがちょこちょこと

国分寺の歴史は奈良時代(710〜794年)にまで遡る。当時、聖武天皇が国を安定させるために各地に国分寺を建てたのだが、この場所に建てられた寺は特に大きなものだったという。聖武天皇的に、この地は何かしらの重要な意味があったのだろう。それが現代に何かの影響をおよぼしている訳では(多分)ないにしても、国分寺にはどことなく独特な雰囲気があるように思えた。今もお寺に見守られているような、そんな気配を感じなくもない。

○国分寺のケーキ店「オーナーが多趣味で……」

店構えはレトロ感満載なのだが、中に入れば絶え間なく「なんで!?」と口ずさんでしまうような店が、「多根果実店」だ。看板に「フルーツパーラー」となっているだけあって、フルーツが目に飛び込んでくるのは当然だろう。ショーケースに並ぶケーキにも、こぼれんばかりにフルーツが盛られている。

しかし、並んでいるのはそれだけではない。バナナ型の水鉄砲や、バナナ型折りたたみ傘、牛肉、柿の種、ガンダムやドラゴンボールのフィギュア、さらには革ジャンが壁際にずらりとぶら下がっている。宇宙食なども扱っているらしい。

お店の創業は昭和7(1931)年と、かなりの老舗。「オーナーが多趣味で……」とお店の人は笑っていた。しかし、一見バラバラに見える品物も、このお店の中にあるとどういう訳か一体感があるような気がする。国分寺のナゾのひとつかもしれない。

●information

多根果実店

東京都国分寺市本町2-23-2

○地元価格がうれしい、香ばし焼きだんご

おだんごは、やはり価格も食べやすさも"おやつ"であってほしいもの。「だんごの美好」で見つけたおだんごは1本45円からという、最近ではなかなか見ない破格である。いかにも地元に根付いたお店らしい。「焼きだんご」(税込45円)は、焦げた醤油が香ばしく、"おばあちゃん家のおだんご"のような懐かしさがあった。

●information

だんごの美好

東京都国分寺市本多2-1-11

○「ここにしかない!」国分寺市認定スイーツ

国分寺には、市が認定した名物というものがあるという。そのひとつが「フランス菓子ロンポワン」の「国分寺ショコラ」(税込160円)だ。ショコラがぎゅっと詰まっていて、チョコ系スイーツが好きな人にはたまらない逸品だろう。

しかし、それよりも驚くのは、本来は自動ドアらしきガラスの扉が手動なこと。グイッと手で押し開けて入店する。しかし、店員さんのほっこりな笑顔でオールオッケーな気がしてしまった。

●information

フランス菓子ロンポワン

東京都国分寺市本多2-16-19

○ジューシーな牛肉感! アメリカンなバーガー

国分寺には、何となく健康的な雰囲気のハンバーガー店がある。「Jimmy's DINER」だ。バンズはトランス脂肪酸フリー、パテは国産牛肉100%で、間に挟む野菜はたっぷりだ。オーソドックスな「チーズバーガー」(税別1,180円)など、いずれも1,000円以上(ポテト付き)で、今回の食べ歩き企画には少し高級だが、筆者的には「国分寺ならここ!」とオススメしたい名店と言える。もちろん、テイクアウトOK。外のベンチで食べてもいい。

●information

Jimmy's DINER

東京都国分寺市本町2-14-5

国分寺には、たくさんの史跡が点在している。今度はグルメ以外の、味わいのある風景も追ってみよう。

●写真に撮りたくなる風景に出会う - 国分寺の湧水が生きた日本酒を一口

○公園がいちいちだだっ広い

国分寺には、たくさんの史跡が点在している。旧岩崎家別邸のある「殿ヶ谷戸庭園」や、尾張徳川家の御鷹場があったことにちなんだ「お鷹の道」、もちろん「国分寺」もある。奈良時代に建てられた「武蔵国分寺」は鎌倉時代に焼失したとされているが、その跡地は清々しいほどに広く、当時の村人が住んでいた頃のような日本の原風景を思わせる。

それらの風景に出会うには、駅から1kmほど、高低差のある道のりを行かねばならない。そこは、これまでに購入した食べ歩きアイテムを小脇に抱えつつ、なんとかがんばってもらいたい。

○湧水を使った日本酒を軽く一杯

お鷹の道の中には「おたカフェ」というカフェがある。NPO法人が運営している「史跡の駅」で、休憩所として自由に入ることができるのだが、せっかくならば日本酒「武蔵国分寺」(税込200円)を味わってみてはいかがだろう。国分寺の湧水を使って最初の仕込みをしているという。なお、醸造は山梨県で行っている。

店内はギャラリーや小物の販売なども行っていて、2階席には武蔵国分寺建立当時を描いた絵などが掲げられている。昔話気分を盛り上げるためにも、跡地へ行く前に立ち寄って見ておきたい。

●information

史跡の駅 おたカフェ

東京都国分寺市西元町1-13-6

国分寺は、ほかの都内の駅周辺と同様に"小ぎれいな街"として生まれ変わろうとしている。今回は紹介しなかったが、落ち着いたカフェやオシャレなワインバーなども多い。それでも、「古くから続くものを大事にしたい」という地元の人の思いは様々なところに見られるような気がした。これからは少しずつ秋となっていく。そんな一日に、時代を超えた国分寺の街歩きを楽しんでみてはいかがだろうか。

○筆者プロフィール: 木口 マリ

執筆、編集、翻訳も手がけるフォトグラファー。旅に出る度になぜかいろいろな国の友人が増え、街を歩けばお年寄りが寄ってくる体質を持つ。現在は旅・街・いきものを中心として活動。自身のがん治療体験を時にマジメに、時にユーモラスに綴ったブログ「ハッピーな療養生活のススメ」も絶賛公開中。