今回のテーマはナイトアウト、「お酒の席」についてですって。コスモガールのみんなはお酒、飲みに行ってる? 今春に東京都生活文化局から「20代の約3割は飲まない、酒離れが進む」なんて世論調査も発表されてるし、飲まないどころかお酒の場自体を嫌ってるコも多いのかもしんない。寂しいわねぇ。

なにせアタシの場合、女装ママになる10年以上前、20代の頃から新宿2丁目エリアのゲイバーの、曜日担当マスターを営ってたから。かれこれ20年以上にわたってお酒の席を内側から見てきたわけで、もうすっかり日常の光景なのよ。

ただしアタシは、家飲みは一切しない派。お酒自体より、それと共にある人とのコミュニケーションに興味があるタイプなのね。

前半のゲイ中心のバーの時代には、「野郎ぶった兄貴が、酒が進むほどにオネエダダ漏れになり、最後は裏声で昭和アイドルを歌い出す姿」とか、「潤んだ瞳で誰彼かまわず抱きついては微妙に嫌がられてるハグ難民」とか、酔いどれオカマたちの生態をいろいろ見てきたわよ。もちろん、上から下からの放水なんて基本中の基本〜。

お酒=アルコールってのは分かりやすく人の意識を変容させる物質。キツい言い方すれば、合法のドラッグの一種だからね。これって、顔面も生活スタイルも盛りに盛って跡形もなくなった自撮りを見せたいイマドキの子からすれば、ある意味怖いものでしょ。いろいろボロが出て晒しちゃうきっかけになるかもしれないもの。

でも、だからこそ他人のそれを知っておくことは、本質や隠された一面を理解する強力な手段になるってこと。 「歴史は夜作られる」なんていうくらいに、大きな商談も、国を揺るがす決断も、酒や色の場こそきっかけになってたりするもの。それこそヤマトタケルさんだって、酒宴で気がゆるんだクマソ兄弟に女装で近づいて、お尻からぶっ刺して征伐したんだからね。(いくらババアとはいえエピソードが衝撃的に古いわ…)

お酒の場での振る舞いが的確な女は、ビジネスも恋愛も巧いものよ。まあそこまでしたたかに、「人間観察や油断につけこむチャンス」とだけ捉えてる女は怖いけど、使い方次第で社内チームの結束力を高めたり、自分の殻を良い意味で破るきっかけにもできるはず。まずは「お酒の席」をあんまり嫌わないでね。じゃないとウチら商売あがったりだよ!

その上で、ここ数年「観光」を楽しんでくれる新宿2丁目の女性客についての、スタッフ側の率直な意見をちょっぴり教えちゃうわ。大半は、「女性が飲みに行ってもいいんですか?」なんて恐縮しつつ、朗らかに楽しんでくれてるイイ子ちゃんたちなんだけど、たまに悪いほうにタガが外れてる子っているのよねー。

まず「手が出る女」ね。オフィスの定番の話題として、女性は興味ないオッサンに撫でられたり、過剰にスキンシップとられるのがイヤなもんでしょ。その反動が、今度は「女に興味ないゲイや女装」に出てるみたいな人がたまにいんのよ〜。珍獣みたいな見た目でもそれなりに意識してセットしたヅラや、女装の命のどっさり付け睫毛を、平気で引っ張ったり取ろうとする女が、週1くらいで現れる。これは、とくにドリュー・バリネコさんみたいな猛獣タイプはガチギレするから気を付けて。

さらに、ばしばし叩いてくるタイプもいる。男性客は自分の腕力を分かってるのと、よくも悪くもウチらを「女扱い」してるから大丈夫なんだけど、一部の女性のはたき方はヤバいわね。日常のストレスを吐き出させてあげたい場ではあるけど、うちら歌舞伎町の殴られ屋じゃないんだから。ほんと無理〜。

メンタルな方で言えば、基本「楽しく話す」のが仕事のうちらでも、程度ってのがあるからね。スタッフを長く捕まえて「アタシの恋愛相談聞いて聞いて」とか「同性愛とか全然いいと思うんです〜私理解者です〜」とか話し込まれると、日常生活でも他人との距離感が掴めなさそうなのが見えてきちゃうわ。

逆にステキな女性は、さらりとスタッフにもごちそうしてくれた上に、ちょっとお話してると「私ばっかり独り占めしちゃ悪いから」なんて周囲への気まで遣ってくれて、お商売的にも人間的にもスタッフにどんどん好かれていくわけ。

あと、こういうお金絡みの話って嫌う人も多いけど、そもそもお酒の場のお金って、プチプラアイテムのコスパとは全く違う、「心意気」の領域なのね。うちらだって、その人が実際どの程度の経済事情なのか予測してるわけで、その中でどう振る舞おうとしてるかに、器を見てる。

ちょっとコスモガール世代に伝えるには早い話だけど、自分が他人にどう見られるか、どう見られてる人がよりステキなご縁に導かれていくか、ってことにつながるの。あぶく銭を汚く使う人(お店はそれはそれでニコニコいただきますが!)、心あるお祝いの気持ちをここぞという時に粋に使う人の違いもよーく分かる。

人間性も色気もお金の使い方も、お酒の場だからこそ出ちゃうものはいっぱい。あなた自身の演出にも、あなたが「この人に付いていこう」と見極める時にも、すごく使えるはずだし、その積み重ねで居場所は変わっていくのよ。

…ってあらやだアタシ、2丁目のブザマな女列伝〜! みたいなこと書こうかと思ってたら、すっげーマジメに酒の場を語っちゃってたわ。イヤなこともそりゃあるけど、笑いも恋もお仕事のご縁も、いっぱいお酒の場にもらった人生。みんながネットでデータを盛る技を磨いている時代だからこそ、生身の人間がいろんなとこユルませてる空間に、おいしいチャンスと出会いがあるんじゃないかしら? お酒の場、楽しんで〜。HAVE A NICE FLIGHT!