高橋礼華、松友美佐紀【写真:平野貴也】

写真拡大

ヨネックスOP3年ぶりV、下降線の不安払拭「簡単に勝てるわけないと吹っ切れた」

 期待に応えたのは、やはり五輪女王の「タカマツ」ペアだった。バドミントンの国際大会BWFスーパーシリーズ第8戦「ダイハツヨネックスジャパンオープン2017」は24日に東京体育館で最終日を迎え、女子ダブルスの高橋礼華、松友美佐紀組(日本ユニシス)が決勝で韓国ペアを破り、3年ぶり2度目の優勝を飾った。

 第1ゲームは、13-12とリードした場面から4連続失点を喫して13-16と中盤で逆転を許したが、14-17からは6連続得点で突き放して21-18でゲームを取り切った。第2ゲームは点差を詰められる場面はあったが、終始リードを保って21-16。ストレートで勝利を収めた。日本勢は、男子ダブルス、混合ダブルスも決勝に進んだが敗退。昨夏にリオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得した高橋、松友の「タカマツ」ペアが日本勢で唯一、優勝した。

 昨夏のリオ五輪を制した後は、休みが少なくなり、モチベーションを再燃させるのにも苦労した。それでも、技術、戦術の追及は怠らず、それぞれに課題の克服に努めて来た。高橋は「今日は、相手の位置をよく見ることができた。敗れたペアは、若い選手の力強い球を甘く返してキム・ハナ選手に決められることが多かったと思う。それを読んで、私は力があるからクロスに振ろうとしたし、松友が力で返そうとすると甘くなるから、松友はネット前に落として前に入る形でやるということが徹底できていた」と勝因を語った。

V前夜に交わした2人の会話…「うちら、何気に五輪後も頑張っているよね」

 韓国ペアのキム・ハナは、2012年に別のパートナーとスーパーシリーズのインドオープンを勝ったことのある実力派。現在は若手のコン・ヒヨンとペアを組んでいる。コン・ヒヨンの強打に怯むと、キム・ハナに決定打を打たれる。警戒すべき相手の動きを見て打ち分けることで、相手に試合のペースを渡さなかった。松友も「相手をどう動かしてスペースを作るかを意識している。まだまだだけど、少しずつできてきている。自分から見えている視界を言葉で表現するのは難しいけど、自分と相手との間合いを変えたり、相手同士の距離を寄せさせたり。以前よりずっと明確になって来ている」と自身が感じている成長の手応えを明かした。

 今季は、猛追する福島由紀、廣田彩花組(再春館製薬所)に2度連続で敗れ、世界選手権の成績でも下回った。周囲の目線では、下降線をたどっているのではないかという心配もないわけではなかった。

 しかし、高橋は「先週も風に苦しんでアウトになっているだけで、やっていることは間違っていないと再確認した。これまでに自分たちが負けた相手は、中国やデンマークの(強い)ペア。昨日も松友と『うちら、何気に五輪後も頑張っているよね、1回戦負けってインドネシアオープンだけじゃん』と話していた。(ここまでを振り返って)先週も準決勝までは進んだし、オーストラリアオープンは優勝。シンガポールオープンも決勝までは行ったし、アジア選手権は優勝した。(五輪女王として見るのではなく)普通だったらすごい成績だから、別に弱い相手に負けたわけではないし、自分たちが弱くなったわけじゃない。簡単に勝てるわけがないと吹っ切れて、頑張ろうと思った」と、高くなったハードルによって生まれて来る不安を払しょくしながら前進していることを明かした。

 頂点に立ってもなお、どん欲に進化を追い求めているタカマツペアは、やっぱり強い。日本でその強さを再証明した大会だった。