「共創経営レポート2017」の一部(写真:丸井グループ発表資料)

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 丸井グループが3年目となる統合報告書「共創経営レポート2017」を発行した。財務報告と、サステナビリティやCSRに関する報告をまとめ、株主・投資家向けに特化した統合報告書の発行が近年、際立っている。小売業では、セブン&アイホールディングス、ローソン、千趣会などの一部の大手しか発行していない。冊子は丸井グループの小売と金融の両軸に基づくビジネスモデルを説明した「共創経営のビジネスモデル」に重点が置かれ、財務報告、従業員との関わりやガバナンスに関することが添えられている。別途、サステナビリティレポートを発行し、この種の報告の指針となるGRIガイドラインにも準拠していることを考えれば、充実した報告となっている。

■統合報告書という潮流

 大企業や上場企業は、財務報告としてアニュアルレポートなどを年に1度、そして、サステナビリティ、持続可能性に関する報告としてサステナビリティレポートやCSRレポートを発行するのが、近年の慣行になっている。財務報告は、法律で定められた義務開示を中心とし、株主や投資家に向けられたものだ。

 対して、サステナビリティやCSRレポートは、環境省のガイドラインやGRIガイドラインに基づき、企業の持続可能性や、それに関わる企業の社会的な責任に関しての取り組みを、環境、社会、経済に関して報告するもの。この報告を、企業のステークホルダーとなる顧客・取引先、従業員、地域住民、株主との関わりという切り口でまとめ、そうした対象に伝えるのがこのサステナビリティレポートだ。

 この2つの報告をひとつにまとめ、より株主・投資家向けに特化されているのが統合報告書だ。財務報告はもちろんあるが、義務でない積極開示、非財務情報開示に重点が置かれている。

■丸井グループの統合報告書

 そのため、丸井グループでも、小売と金融の両軸となっている事業構造の正当性と将来性を謳ったものとなり、そこに財務報告、従業員やガバナンスに関わる報告が添えられている。

 パッと見ると、おしゃれなパンフレットしか見えず、その通り、スタイリッシュな装丁と構成になっているが、その実は、財務指標や義務開示だけでは伝えにくいものをわかりやすく伝えるというホワイトペーパーだ。

 ここまでで察しかと思うが、財務報告は上場企業なら当然であるが、サステナビリティやCSRは、本気で取り組める企業は少ない。さらに、ここ20年ほどでその姿は正に日進月歩で変化している。冊子の名称ひとつとっても、環境報告、企業の社会的に責任(CSR)、サステナビリティ(持続可能性)、統合報告書と名称と姿がどんどんと多様化している。これほど分厚いホワイトペーパーを誰が読むのだと言いたくもなるものばかりだ。

 しかしだ。義務開示となり、ごてごてした文体の有価証券報告書や、ただの慣習となりつつある事業報告書こそ誰が読んでいるのだろうと言いたくなる。財務諸表と財務指標は、今の時代、企業サイトにいかなくともインターネットで簡単に閲覧できるのだ。そこまで考え合わせれば、今回の丸井グループの「共創経営レポート2017」は実に見やすく、わかりやすいホワイトペーパーとも言えるだろう。