女性の心に刺さる褒め方とは?(写真:よっし / PIXTA)

こんにちは。はたらく女性のかていきょうしのタブタカヒロです。


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想像してください。目の前に職場の女性社員がいます。頭の中で、彼女に対する褒め言葉を3つ投げかけてください。どんな言葉が浮かびましたか?

大抵の人は、次のいずれかではないでしょうか?

・外見:〜が綺麗ですね、可愛いですね
・能力:〜がスゴいですね、仕事がデキますね
・人柄:優しいですね、明るいですね

どれも女性が言われて悪い気はしない褒め言葉です。が、凄く嬉しいわけでもありません。オトコがすぐ思いつくような褒め言葉は女性の心に刺さらず、あんまり繰り返されると「ホントにそう思ってる?」とかえって胡散臭さを感じてしまいます。

褒めることは女性と働くうえでの必須スキルだ

ボクは、はたらく女性のかていきょうしとして、これまで働く女性への個人コンサルを500回以上やってきました。そこで気づいたのが、女性の心に刺さる褒め方ができることは、女性の信頼を得るための最大の手段であるということ。褒め上手であることは、女性と働く上での必須のスキルです。

ただ、日本男子は女性を褒めるのがとにかく苦手。オンナと働くオトコ達を観察していると、褒め下手オトコが圧倒的多数を占めています。いざ褒めようと思うと、何を褒めたらよいのか分からず、かえって女性をシラけさせることも。そこで、今回は女性の心に刺さる褒め方、刺さらない褒め方について考えます。

まずは、女性の心に刺さらない褒め方について。日本のオトコ社員がやりがちなのは、次の3つのパターンです。

1. オッシャルトーリ!

「仰る通り」。同じタイプの刺さらない褒め言葉として「僕もそう思って〜」もよく目撃します。褒めている本人としては、あなたの言ってることは正しい!と強調して丁寧に同調する褒め言葉のつもり。発言の度に「オッシャルトーリ」を連呼。でも、褒められた女性社員は、自分の発言を丸ごと肯定する「フリ」をしてスルーされている印象を受けます。真剣に考えて聞いているのか、本当に褒めているのか、疑わしさを感じる褒め言葉です。

2. カンペキデス!

女性社員の資料や発表に対して「完璧です」。「最高」「良いですね〜」も同類です。褒めた男性本人は花丸100点満点をあげて最高の褒め言葉を向けているつもり。でも、女性本人はどこがどういいのか、改善すべき所はどこなのか、具体的にフィードバックをもらいたい。ただ調子よくスルーされているだけでは?と女性が腑に落ちない褒め言葉です。

3. サッスガー!

女性社員の仕事ぶりに対して「流石!」。褒めた男性本人は女性社員のスキル、能力に対する最大級の賛辞と信頼の気持ちを込めて言っているつもり。「〜さん、流石です!」と手放しで女性の先輩社員を褒めるオトコをよく見かけます。でも、言われた女性本人は「何が流石なの?」と具体性のない能力評価が理解できない。「あなた、ほんとに分かってんの?」と相手の能力を疑いたくなる褒め言葉です。

仰る通り、完璧です、流石です、には共通点があります。3つともオトコが言われて嬉しい褒め言葉ということです。オトコは自分の能力や成果物、富と勲章など自分の力を承認してほしい生き物。具体的な記述は無用。ざっくりとした「アナタってスゴい」的褒め言葉で自分の力を褒められるを喜ぶ傾向にあります。

ところが、女性は自分の力や結果を褒められてもあまり嬉しくない。むしろ自分の気遣いや工夫などプロセスを具体的に褒めて欲しい生き物。「アナタってスゴい」というような褒め言葉を女性が受けると、「私のどこをいいと思っているの?ウソじゃないの?」と褒め言葉の無差別攻撃を受けているのでは?と感じてしまいがちです。

それでは女性の心に刺さる褒め方とは?まず、「オレってスゴい」というオトコのニーズを満たすワードは禁句。「私はこれでいいんだ」という自己肯定ニーズを満たすことが最大の使命です。ボクが女性と個人コンサルする時に心がけている「褒めワード」は次の3つです。

点と点を結ぶ

今の姿や能力を褒めることはせず、いくつか過去の出来事たちを挙げて、共通する「いいこと」を褒める。「先月のチームの打ち合わせでみんながモメた時も、今回の会議でも、率先してみんなに話しかけて話しやすい空気を作ってくれますよね」「学生時代の時も、今も、〜という価値観は共通しているんですね」と過去を褒める。女性は「そうか、私のこれまでは、これでよかったんだ」と自己肯定できるし、具体的なフィードバックから「あ、見てくれていたんだ!」と喜びを感じてくれます。

変化を褒める

個人コンサルを繰り返し受けてくださる女性には、ビジュアル、ファッション、表情、姿勢、発言や仕事などなんでも、前回から変わったことに気づいて「〜が変わったんですね、いいですね」とフィードバックする。髪型や洋服、ネイルでもいいんです。仕事では「前はちょっと自信なさそうに話してましたけど、今は目力がありますね」「資料の作り方がすっきりしてきましたよね」と変化を伝える。具体的な変化を実感すると自己肯定感が高まり、自分を見てくれたという喜びも高まります。

成果物にはマジになる

女性が作る成果物を手放しで「最高!」とは褒めない。彼女たちが表現したいことを確認して、もっといいものを目指してレビューし、さらなる改善点を考える。この時はボクも目つきがマジのコンサルタントモードになります(笑)。女性は自分の過去や自分自身への肯定欲求はありますが、成果物にはその欲求は薄いようです。オトコは成果物に指摘をされると自分の能力にケチをつけられたと思いがち。でも女性は信頼する人であればツッコミを入れられても割と平気。むしろ気づきをくれることに喜びを感じてくれます。

ポイントは過去の出来事を引用すること

女性に喜ばれる褒め言葉には、過去の出来事を引用することがポイント。女性の発言や仕事ぶりを観察し、記憶する、覚えるのが難しければメモ等で記録する。そんなマメな過去の出来事管理が必要になってきます。それに気づいて以降、500回を超える女性との個人コンサル内容は全てデータベース化していつでも振り返りができるようにしています。

オトコはオレってスゴい!と感じられる能力や成果――サクセスを褒められるのが嬉しい。オンナは、私はこれでいい、と感じられる出来事や変化――プロセスを褒められると嬉しい。オンナとオトコの褒められツボの違いを理解することが、褒め上手の第一歩かもしれません。