配送を担当する日本郵便の社員(左)に「ふるさと米」を手渡す山本町長(岡山県吉備中央町で)

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 岡山県の吉備中央町は、ふるさと納税米作り農家応援事業として、寄せられた寄付金を基に町内の水稲農家を支援している。返礼品として「コシヒカリ」1等米を、JAを通じて60キロ(1俵)1万7000円で買い取るもので、町内の「コシヒカリ」作付面積は2014年度と比べ約2割増の762ヘクタールに拡大。減少傾向だった水稲全体の面積も横ばいになるなど、中山間地域の農業振興に貢献している。

 事業は「農家に元気と明るい笑顔を取り戻してもらおう」と、ふるさと納税制度として14年に開始。寄付は年々増え、17年度は7月3日の締め切りまでに2万3702件、6億2658万2円が寄せられた。

 町は1384トンの「コシヒカリ」(うちJA岡山334トン、JAびほく1050トン)を買い取り、同事業への寄付金1万円当たり4袋(1袋5キロ)を返礼品として郵送する。

 20日には、町役場賀陽庁舎前で町職員や農業者ら100人が出席し、出発式を開いた。

 山本雅則町長は「全国の方が吉備中央町を古里と思って納税してくださり、おいしい米を農家が心を込めて出荷してくれて成り立つ事業。ふるさと納税制度が変わっても、やり方を検討して続けたい」と意気込みを語った。