前半23分、U-15日本代表はFW吉田有志(中央)が先制ゴール

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[9.24 AFC U-16選手権予選 U-15日本代表 4-0 U-15マレーシア代表 インドネシア]

 24日、U-17W杯予選を兼ねるAFC U-16選手権予選グループJの第3戦が行われ、日本はマレーシアと対戦。2勝同士が最終日にぶつかる「首位決定戦」と呼ぶべきシチュエーションだったが、日本は序盤から圧倒。FW吉田有志(C大阪U-15)の先制点を皮切りに大量点を奪うと、守備陣の冷静さも光る内容で東南アジアの実力国を4-0の大差で退け、首位通過を決めた。

 第1戦と第2戦でターンオーバー策を実施し、まったく異なる11人で臨んでいた日本は、この第3戦については第1戦のメンバーをベースにしつつ、3人を入れ替えた陣容で臨んだ。ディフェンスラインを少し動かし、第1戦は右SBで先発していた半田陸(山形ユース)をセンターバックにスライドし、鈴木海音(磐田U-15)とのコンビとして配置。これはマレーシアの高速攻撃陣を意識しての変更だった。半田の抜けた右SBには植田啓太(横浜FMジュニアユース)が入り、左は唯一の中学2年生である中野伸哉(鳥栖U-15)が入った。また中盤中央は成岡輝瑠(清水ジュニアユース)と横川旦陽(湘南U-15平塚)、両翼には角昂志郎(東京武蔵野シティFC U-15)と近藤蔵波(C大阪U-15)が入り、前線は中野桂太(京都U-15)と吉田が2トップを形成、GKは山田大樹(鹿島ユース)が先発した。

 事前の予想どおり、試合は序盤から日本が主導権を握る流れとなったものの、「4-4-1-1の形でしっかり引いてきて難しかった」とFWの吉田が振り返り、DFの鈴木が「一定のリズムでボールを動かしすぎてしまっていた」と反省したように、なかなか攻撃のスイッチが入らない。中盤中央で司令塔役を担う成岡も「引いて守ってくる相手に対して、安全に終わってしまっていて、なかなかFWに付けることができなかった」と振り返った。

 前半の半ばに至って、日本のシュートはミドルレンジからのものが2本あったのみ。閉塞感も感じられる流れだったが、有馬賢二監督はピッチ脇から「焦れるな。90分で考えればいい」と冷静な試合運びを呼びかけ続けた。

 そして迎えた23分だった。左サイドのタッチラインを割りそうだったボールを左SBの中野伸がうまくコントロールして、そのまま縦へと加速する。「目が合ったので、動き出せた」とニアに走り込んだFWの吉田の頭に中野伸からのクロスボールがピタリと合って、待望の先制点が生まれる。

「セレッソでもよくやっている得意な形」と吉田が微笑んだ会心のゴールだった。さらに27分にはCKに飛び出したマレーシアGKのパンチングでのクリアが小さくなったところからボールを拾った植田が見事なミドルシュートを突き刺し、リードを2点に広げた。

 前半終了間際にDFの不用意なボールロストからカウンターを受けてのピンチがあったものの、危険なシーンはこの一回くらい。「前半はうまくいかなかった」と成岡が言うように必ずしも思うような試合ができたわけではなかったが、半田と鈴木を中心とする守備陣が危なげない対応を見せたこともあり、マレーシアに逆転の機運は生まれなかった。

 日本は後半開始早々の4分にFWの中野桂が壁の横を射抜くFKを決めて追加点を奪うと、28分にも交代出場のFW青木友佑(FC東京U-15深川)が相手GKと味方FWが競ったこぼれを抜け目なく決めて追加点。大量リードを奪ったことで、最後の交代カードはここまで唯一出番のなかった第3GKのジョーンズ・レイ(大宮ジュニアユース)の途中出場という形で使い切り、そのまま試合終了。東南アジアの実力国を相手に、日韓W杯世代の日本代表が4-0の快勝を収め、来年秋のAFC U-16選手権本大会へのチケットをもぎ取った。

 ただし、ここはあくまで彼らにとっての通過点。有馬監督も「失点ゼロで23人全員の力を合わせる形で突破できたことは本当にうれしい」としながら、「ここから競争が始まる。一人ひとりが一歩ずつ積み上げるようにレベルアップしていかないといけない。その結果として23人全員が最終予選にいけるかもしれないし、大きく入れ替わることになるかもしれない」と宣言。あらためて、「代表の場で感じたことをそれぞれの所属チームで表現してもらい、日々の練習から積み上げてもらいたい」とメッセージを送った。

 2019年のU-17W杯の出場切符を懸けたAFC U-16選手権本大会は来年9月にマレーシアで開催予定。2002年以降に生まれた選手たちで構成される「02ジャパン」の冒険は、まだまだ始まったばかりだ。

(取材・文 川端暁彦)
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