第66味 中国
企業改革は不透明。いまだ狷使召〞状態

中国の爛哨鵐售覿〞や猊綰垈江〞につながる共産党による経営介入

お盆休み明けの日本経済新聞朝刊に「中国企業において中国共産党の経営介入が進んでいる」との記事が掲載されていました。

具体的には、社内に党の地位を認める組織を設立し、重大な決定事項の際には、事前にその組織の意見を伺い、経営トップは組織のトップを兼務するなどの内容を定款内に明記する企業が増えている、という。日経の調査によれば、中国の証券取引所(上海と深セン)に上場する約3300社のうち、約1割にあたる企業の定款に内容変更の形跡があったようです。

この 10 月の中国共産党の党大会を前に、習近平(中国共産党中央委員会総書記)体制の基盤強化を図る狙いがあると思われます。

しかし、中国企業と合弁事業を行なう外資企業にとっては、経営の意思決定において、中国共産党の牋娶〞に振り回されるリスクが高まることになりそうです。

市場の改革開放と中国企業の構造改革は、現在の中国五カ年計画において盛り込まれ ているため、その計画とは逆の動きになっている印象です。

実は、中国企業の改革をめぐる歴史は今に始まったものではないのです。かつて、中国企業は原則すべて国営でしたが、当時の最高指導者の一人、小平氏の指導体制の下、1978年 12 月に開催された中国共産党第 11 期中央委員会第3回全体会議で「改革開放」政策が提出され、その後開始された中国国内体制の改革および、対外開放政策への転換が決定的となったといわれます。

改革開放の進展で、企業の所有権は依然として国が有するものの、経営権は企業に移すことで、「国営企業」は「国有企業」と称されることになりました。そして、1990年代後半の朱鎔基(しゅようき)(元国務院総理)氏による痛みを伴う改革によって国有企業の淘汰が進んでいくことに……。

さらに、2001年にはWTO(世界貿易機関)加盟に成功し、国有企業は国際競争力を高め、民営化の方向を加速していきました。

ところが、最高指導者、江沢民(こうたくみん)(元中国共産党中央委員会総書記)体制時に改革の流れが滞ります。国有企業の人事に中国共産党が口を挟み、多くの行政部門を関与させることになりました。これが今日まで存在する爛哨鵐售覿〞や猊綰圓硫江〞につながっているといわれます。

この状況は、胡錦濤(こきんとう)(元中国共産党中央委員会総書記)体制になっても思うように改善しませんでした。しかし、現在の習近平体制になって、「虎もハエも同時に叩く」という激しい反腐敗運動が行なわれ、そのメスは企業改革にも入ることになります。

足元の中国企業に対する中国共産党の経営介入は、「企業内にくすぶる腐敗の温床を厳しく監督するため」というのが大義名分かと思われますが、新たな腐敗が生じてしまう可能性もあり、少なくとも民営化の進展や、グローバルな市場のルールにのっとった改革につながるかは不透明なままです。

中国の企業改革は、いまだ狷使召〞といえそうです。

楽天証券経済研究所 シニアマーケットアナリスト  土信田雅之

新光証券などを経て、2011年10月より現職。ネット証券隨一の中国マニアでテクニカルアナリスト。歴史も大好きで、お城巡りと古地図収集が趣味。