レスターの地元紙からべた褒めされた岡崎。「彼にはインテリジェンスがある」とも。(C)SOCCER DIGEST

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 善戦虚しく、敗れ去る。岡崎慎司を擁するレスター・シティは、そんなゲームを繰り返してきた。
 
 だが気づけば、プレミアリーグの開幕から6試合を戦って1勝1分け4敗。勝点はわずかに4で、順位は降格圏をぎりぎりで交わす17位と穏やかではない。これはプレミアリーグにおけるレスターの歴代ワーストタイのスタートで、同じく開幕6試合を戦って4ポイントだった1994-95シーズンは、最終的に降格の憂き目に遭った。安閑とはしていられない事態なのだ。
 
 そんななか、レスターをこよなく愛する地元紙『Leicester Mercury』は、チームに熱いエールを贈る。「まるで悲観する必要はない。シティはよく戦っている」と評した。
 
 レスターが喫した4敗の相手は、アーセナル、マンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、そしてリバプール。昨シーズンのトップ6を形成した4チームであり、完敗に終わった敵地でのマンU戦(0-2)を除けば、「すべて1点差の黒星で、紙一重の内容だった」と論じている。
 
 もちろん6試合で12失点の守備陣については「最大の課題であり、(守護神の)キャスパー・シュマイケルの低調ぶりをはじめ、クレイグ・シェイクスピア監督がもっともケアしなければいけない点」と断じた。
 
 一方で攻撃面は、「オカザキのおかげで十二分に機能している」と分析している。
 
 同紙は、開幕前から繰り返されてきた「ジェイミー・ヴァーディーの相棒は誰が適任か?」の議論は、終わりにすべきだと言い切る。「もう答は出た。オカザキの充実ぶりを見れば当然だ。やはり彼こそがヴァーディーのエナジーを巧みに引き出し、チームアタックを上手く循環させるベストな選択肢なのだ」とした。

 さらに、日本代表ストライカーをこう褒め称える。
 
「シャイクスピアはレオナルド・ウジョア、イスラム・スリマニ、ケレチ・イヘアナチョにも十分チャンスを与えてきた。そのうちの誰がオカザキに取って代われるほどのパフォーマンスを見せただろうか。もう結論は出ている」 
 
 そして、レスターがプレミアリーグを制した2015-16シーズン以降、つねにチームの急先鋒となって汗を流す岡崎がいたからこそ、レスターはグレードを下げずに戦えてきたのだと結論付けた。
 
「昨年の夏、エヌゴロ・カンテが(チェルシーに)移籍した時、前監督のクラウディオ・ラニエリはこう嘆いたものだ。『もう効果的な4-4-2システムは再現できない』と。ところがどうだったか? レスターは同じシステムで、いまでも大きく質を下げずに戦い続けている。オカザキのハードワークとインテリジェンスが、それを可能にしているのだ」
 
 同紙は献身性だけでなくゴールという結果も叩き出している小柄な点取り屋を、ここからの巻き返しを図るレスターの最重要キーマンに指名した。
 
 今後5試合の相手は、ボーンマス、ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン(WBA)、スウォンジー、エバートン、そしてストーク・シティ。ビッグ6に比べれば明らかに与しやすく、浮上のきっかけを掴めるはずだ。そして、岡崎のさらなるゴールラッシュにも期待がかかる。