私たちの身近にあるコンビニの知られざる裏話を、業界の内情に詳しいライターの日比谷新太さんが紹介していく当シリーズ。前回の「販売ノルマ」に関する話題に続き、今回取り上げるのは「ホット飲料のトレンド」について。だんだんと寒くなるこれからの時季、恋しくなってくるホット飲料ですが、日比谷さん曰く一昨年あたりから売れ筋にある変化が現れているそうで……。

ホット飲料が売れ出すタイミング   

毎年9月中旬ごろになると、コンビニの飲料売れ筋に変化が現れます。温かいドリンクの売上が急上昇してくるのです。

目安としては一日の最低気温が15度を下回ると、ホット飲料が売れ始めます。街中の飲料自動販売機もこのタイミングに合わせて陳列が入れ替えられ、またコンビニでもカウンターの上にある飲料ケースにホット飲料が並ぶようになります。

今年も暑さがひと段落し、そろそろ温かい飲み物が恋しくなる季節……ということで、今回はホット飲料のトレンドを、昨年度(2016年)・一昨年度(2015年)の売上データを参考に予測してみたいと思います。

圧倒的に売れているホット飲料とは?

下表は、某コンビニにおける2015年11月度・2016年11月度のホット飲料売れ筋ベスト10です。緑色に塗りつぶしたのはお茶、茶色に塗りつぶしたのは紅茶、黄土色に塗りつぶしたのは果汁としました。白色はコーヒーです。(缶コーヒー・ボトルコーヒーは、POSデータ上でホットかコールドかを判別できないため、このランキングからは除外しています)

さて表を確認いただくと、圧倒的にお茶飲料が強いことが分かります。また、紅茶飲料の単品としてミルクティが上位に食い込んでいるのも、見逃せないポイントではないでしょうか。ちなみに気温低下とともに、コーンポタージュや甘酒などの商品も販売を伸ばしてきますが、トップ10に食い込むほどではありません。

2015年と2016年の売上を比較すると大きな変化がひとつあり、それは500mlサイズのペットが発売され、勢いを増している点です。

2015年に『ホット伊右衛門 特茶』(サントリー)が初めて500mlサイズのホットお茶を発売し、これがヒット商品となりました。そこで2016年には、500mlサイズの『ホット伊右衛門』『ホット伊右衛門 焙じ茶』を発売し、またまたヒットさせました。

実は、ホットのコーヒーでも同じ動きが出ており、缶コーヒー(250ml)からボトル缶(400ml)へのシフトが発生しています。これらの動きは、「ちょい飲み」「ながら飲み」の傾向が強まっていることに要因があります。オフィスなどのデスクの上に飲料を置き、仕事の合間合間に少しずつ飲む習慣が定着してきたからでしょう。

コンビニの店舗サイドとしては、500mlへのシフトは歓迎です。これにより単価アップが図れるからです。

しかしながら一部では問題が発生しました。

それは、従来のホット飲料よりも商品容量が増えたために、パッケージサイズも大型化し、これまでの飲料ケースでは陳列できなくなったという問題です(従来のケースは350mlサイズが標準でした)。そこで各コンビニでは、ホット飲料売場として新たな販売什器を導入したり、他商品との陳列入替などの作業が発生しました。

というわけで、2017年のホット飲料のトレンドは、間違いなく500mlサイズの商品となるでしょう。売場の販売環境も整ったこともあり、今後は『伊右衛門』だけでなく、『おーいお茶』『生茶』『綾鷹』といった他のブランドからも、500mlサイズが発売されるのではないでしょうか。同様の動きは、紅茶カテゴリーにも現れる可能性があります。ぜひ、ご注目ください。

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出典元:まぐまぐニュース!