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 マツダはアメリカで特許を申請していた。ツインターボにスーパーチャージャーを加えて「トリプルチャージャー」としている。マツダはエンジンの可能性を突き詰めていくようだが、これはエンジンの低回転域でのトルク増強を意味する。また、低回転から回転が上がるまでに「ターボラグ」と呼ばれる、アクセルを開けてからエンジン回転が上がり始めるまでのわずかな遅れがあるが、それをなくす働きをスーパーチャージャーは果たすことが出来る。

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 実は、機械式スーパーチャージャーは古くはゼロ戦にも装備されていた。しかし、B29に積まれたターボチャージャーの開発に遅れをきたしたことが、日本本土防空での戦力低下に大いに影響を出してしまった。高空でのエンジン出力において大差となり、日本敗戦の技術的敗因の一つとなったのだった。

 スーパーチャージャーは、エンジンのクランクシャフトから機械的に繋げて吸気を助けるものだった。そのためエンジン馬力をロスする状態であり、高空で空気が薄くなったときには、過給は思うようにはならない。それに対してターボチャージャーは、排気の力でタービンを回すため比較的馬力ロスにならず、高空でも吸気を十分にできるメリットがある。

 しかし、ターボチャージャーはエンジンの回転がある程度上がってからでないと、排気を利用しているために、力を発揮することが出来ない。それが「ターボラグ」の正体だ。一方スーパーチャージャーは、機械式のためエンジンの回転が上がり始めるとすぐに過給圧が上がり、タイムラグが生じにくい。マツダはこれを利用しようと言うのであろう。さらに、マツダの今回の特許は電動スーパーチャージャーなのだ。これで、機械的ロスやエンジンの回転に左右されることなく、必要な空気量を取り入れることが出来る。最近始まっている車の電源を48Vにする動きは、このような電動の仕組みの増大に対処するものだ。

 現代のハイブリッドシステムは、低速域でモーターアシストがあるので出だしが良い。マツダのトリプルチャージャーは、それをエンジン単体でも補うことが出来る。さらにマツダは、エンジン単体でEVに対抗できる技術を考えたのであろうか?これは近いうちに登場するであろう「新ロータリースポーツ」と共に、スポーツカーの新エンジンユニットとしても期待が出来る。

 古い技術の組み合わせだが、マツダはとことんエンジンを開発していくつもりであろう。