ボルシアMG戦の後半64分から出場した香川真司

 ブンデスリーガ第6節、ドルトムントは6-1でボルシアMGを下し、首位をキープしている。香川真司はすでに5-0となった64分から出場した。

 前節はハンブルガーSVを3-0で、第4節はケルンを5-0で破り、ドルトムントは6試合で19得点と圧倒的な得点力を見せている。総得点でこれに次ぐのは順位では3位に甘んじるバイエルンの14得点だから、突出した数字と言っていいだろう。失点のほうもリーグ戦ではこの日が今季初めて。2位のホッフェンハイムとバイエルンが5失点、4位のアウクスブルクは4失点だから、ドルトムントのバランスのよさは明らかだ。

 ただ、振り返れば3位に終わった昨季も序盤戦は大量得点での勝利を繰り返し、第6節終了時点で16得点を挙げていた。また、失点の少なさは運に恵まれている部分もあり、香川も毎試合のように「紙一重のところで失点していた」と話している。その守備は磐石とは言いがたく、今後、崩れる可能性は大いにある。

 いまひとつ安定感がない理由のひとつに、先発メンバーの変更が頻繁に行なわれていることもある。例えば第5節ハンブルガー戦とこのボルシアMG戦では5人のメンバーが変わっている。4-3-3の中盤は、ハンブルガー戦ではヌリ・サヒン、香川、ゴンサロ・カストロだったのが、ボルシアMG戦では今季初先発のユリアン・ヴァイグルに、マリオ・ゲッツェ、モハメド・ダウドという組み合わせだった。

 右MFで途中出場した香川は「できればインサイドやりたかったですけど、しょうがないです。やっぱりメンバーが多いので、今は。中盤も3枚変えるくらいの選手層がありますし」と、選手層の厚さを認めた。

 あらためて今季のドルトムントのメンバーを見ていくと、GKのロマン・ビュルキは6戦先発で固定。4バックが基本形の最終ラインでは、キャプテンマークを巻くCBのパパスタソプーロス・ソクラティスと右SBのウカシュ・ピスチェクがベース。

 もう一枚のCBはマルク・バルトラが基本で、負傷中はオマル・トプラクが入った。バルトラはこのボルシアMG戦の83分から出場しており、今後は出場が増えるはずだ。左SBの定位置はマルセル・シュメルツァーだが、9月9日のフライブルク戦で負傷。その後は99年生まれで現状トップチーム最年少のダン・アクセル・ザガドゥが先発2回、ジェレミー・トルヤンはボルシアMG戦が初先発となった。

 3枚の中盤は選手層が厚く流動的だ。中盤の底にはこれまでサヒンが入っていたが、昨季最終節で負傷し、ボルシアMG戦で復帰したヴァイグルが本命と見て間違いない。2枚のインサイドハーフは、ゲッツェ、ダフード、香川、カストロで争っている。香川は左肩脱臼で出遅れ、ダフードは新加入であることから、ゲッツェ、カストロが一歩リードしている形だ。

 だが、この4人のうちリーグ戦で得点しているのは香川だけ。出場時間が徐々に長くなっていることから見ても、香川への信頼は厚いようだ。

 前線の3枚を見てみると、1トップは不動のオーバメヤン。6試合で8得点と、今季も得点王の可能性は大いにある。右はクリスティアン・プリシッチが5試合で先発。そこに新加入のアンドリー・ヤルモレンコが絡む。左の最有力候補はやはり新加入のマキシミリアン・フィリップだが、途中出場で香川が入ることもある。ただ、間もなく復帰するとみられるアンドレ・シュールレと、もう少し時間がかかりそうなマルコ・ロイスが復帰すれば、このポジションで起用されることはなくなると香川自身は見ている。

「長期的にはそれはないと思います。ケガ人が帰ってきたら、そのポジションもかなりメンバーがいるので、(自分は)中盤じゃないかなと思います」

 負傷者が多いため、ガラッと変わったように見えるドルトムントだが、今後ベースになっていくのはやはり昨季までのメンバーだ。むしろ違いがあるとすれば、新指揮官ピーター・ボスのもと、チームの風通しがよくなったように見えること。それは香川の気負いなく話す様子からもうかがえる。

 中2日の次戦は、チャンピオンズリーグでホームにレアル・マドリードを迎える。序盤戦の大一番とも言える試合だ。

「おそらく今、世界で一番強いチームですけど、そこを考える必要はない。僕たちのホームでやるので。ここ2、3年はビッグマッチでは相手をリスペクトする戦いが多かったけど、この監督はどんな相手でも自分たちが主導権を握る戦いをすると思う。ましてやホームだから、それを徹底してやるだろうし、それは自分たちに間違いなく合っているサッカーだと思う。その中でどこまでできるかというのを、みんなが楽しみにしている。

 僕自身もこのレベルでどうやれるんだというのを証明していきたいですし、すごく楽しみなゲームでもあるので、今日、30分やれたことはすごくよかったですし、次、出られるにせよ出られないにせよ、(出場は)はっきり言ってまだわからないですけど、いい準備をするだけかなと思います」

 自身の調子はいいのだろう。このようにストレートに意気込みを話す香川は、久しぶりなような気がする。まだ粗さの残る新生ドルトムントが欧州2連覇中のレアル相手にどこまで戦えるか、楽しみである。

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