「だし」というと、お味噌汁に入れたり、和食の味付けに使うものだと思っていた。そんな僕にとっての“だしの常識”は、ある日を境にくつがえされることになった。

きっかけは「だし勉強会」というイベントに参加したこと。ここでは驚きと発見にあふれた勉強会についてレポートしていく。

そもそも
「だし勉強会」とは?

「だし勉強会」は、9月12日都内にて、創業150年のだし専門店「マルハチ村松」から発売された『やいづ善八やきつべのだし』のプロモーションイベントの一環として開催された。

『やいづ善八やきつべのだし』は、醤油などで味付けもされておらず、かつおだし本来の旨味が凝縮されただしパック。さらに保存性が高く、酸化しづらい。「だし勉強会」は、この商品を使って進められていった。

1時間半におよんだ勉強会の前半は、「マルハチ村松」の大石央(おおいしひさし)さんのだし講座、後半は料理家の冷水希三子さんによるだしを活かした料理の紹介が行われ、商品はもちろん、だしの知識や活用方法まで学べる内容となっていた。

本当においしいだしと
その作り方

だし講座ではまず、削りたてのかつおぶしと、前日に削ったかつおぶしの食べ比べからスタート。削りたてのかつおぶしは口に入れた瞬間とろけるようにやわらかく、あとからかつおの香りが豊かに抜けていった。

一方で前日のかつおぶしは、ごわつき感があり、少し酸味、苦味を感じた。大石先生によると、削った瞬間から酸化が始まり4〜5時間もするとハッキリ違いがわかるそう。かつおぶしは非常にデリケートなのだ。

理想的なだしのとりかたは、100度に近い熱湯に、かつおぶしを30gを入れて、弱火で3分熱するというもの。

この方法で削りたてのかつおぶしからだしを作ると、すっきりとした味わいになり、それだけでもお茶感覚で飲めてしまうほどだった。

だし本来の効果を
活かした料理

後半は、だしを活かした料理紹介の時間。メニューは「パプリカのだしポタージュ」と「マカロニグラタン」だ。

このメニューを知り「洋食に和食のだしを使うの? それって合うの?」と、さまざまな疑問がわいてくる。それを察したのか、すぐさま冷水先生が説明を入れる。

「だしは和食にだけ使うものではなく、食材の味、そのものを際立たせるために使うんです。だしの味は残りません」

実際に冷水先生は、2つの料理でだしを使った。正直この時点では、おかしな味になるのではないかと、疑っていた……。

しかし、試食会で2つの料理を食べて、疑いはすっきりと晴れた。両方ともだしの味は完全に消え、かわりに食材の味がきわ立ってとてもおいしかったのだ。

パプリカのだしポタージュは、香ばしいパプリカの風味が口に広がり、トマトの酸味もよく効いていた。マカロニグラタンはコクと甘みがあり、クリームの濃厚さを感じた。食材の味が堪能でき、瞬く間に完食してしまった。

そして「ごちそうさま」とともに、「だし勉強会」は終了。もう僕の中で、だし=和食、お味噌汁という考えは消え、イタリアンやフレンチなどで多彩に活用できる優れものに変わっていた。

自炊を全くしない僕だが、このだしを使って料理をはじめてみようかな、と思う。