羽生結弦【写真:Getty Images】

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オータムクラシック、フリーでミスが相次ぎ2位…V逸に米メディア驚き

 フィギュアスケートのオータムクラシック(カナダ・モントリール)は23日(日本時間24日)、SPで世界歴代最高得点を更新し、首位に立った羽生結弦(ANA)がフリーでミスが続き、155.52点と得点を伸ばせず。合計268.24点で2位に終わった。前世界王者のハビエル・フェルナンデス(スペイン)に逆転優勝を許し、米メディアは「全く本調子でないことは明らかだった」と驚きをもって報じている。

 表彰台の真ん中に立ったのは、王者ではなかった。

 羽生は冒頭の3回転ルッツのタイミングが合わず、1回転に。ペースを乱すと転倒も出るなど、ジャンプにミスが続いた。得点は155.52点と伸びず。自身が持つ世界最高得点から67点及ばない出来に、演技後は膝に手をつき、悔しげな表情を浮かべた。

 続いて登場したフェルナンデスもジャンプの回転不足もあり、本来の出来ではなかったが、なんとか粘って得点をまとめた。羽生は逆転で優勝を明け渡す形となった。

 まさかの展開に米スケート専門メディア「icenetwork」も「羽生がフリーで崩れ、フェルナンデスが金メダルを奪い取った」と見出しを打ち、驚きをもって報じている。

ショートプログラムは「驚きで開いた口が塞がらない演技を披露」も…

 フェルナンデスもベストからかけ離れた演技だったとしながら、練習仲間でもある羽生のミスにより、チャンスを得ることになったと振り返っている。その上で、羽生のフリーについて、こう評している。

「ハニュウは驚きで開いた口が塞がらないショートプログラムを披露し、そのハードルは極めて高い位置に固定されたはずだった。しかし、フリーの序盤から、日本のマエストロが全く本調子でないことは明らかだった。彼の『SEIMEI』は以前のように輝きを放つことはなかった」

 このように記し、不調が結果的に銀メダルを終わることにつながったと言及。しかし、こうも驚かれるのは羽生が実力が抜きん出ていることの裏返しでもある。

 今大会はシーズン初戦。右膝の違和感もあり、万全の状態ではなかった。連覇がかかる平昌五輪へ、修正する時間は十分、残されている。まだ第一歩を踏み出したばかり。モントリオールに衝撃を与えた収穫と課題を手に、羽生はさらなる成長を目指していく。