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 鹿島OB対談の最終回は、クラブの未来についての話だ。現場とフロントが一体になり、ファミリーとして築き上げてきた鹿島の伝統は今後も続くのか。数々のタイトル獲得に貢献したふたりの見解は?
 
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岩政大樹 話を聞けば聞くほど、石井さんが鹿島を離れるのは複雑な想いがあるでしょうね。逆に他のクラブを知ってみたい気持ちもありますか?
 
石井正忠 S級の指導者ライセンスを取る時にオランダのヘーレンフェーンで研修をして、ヨーロッパのように短い時間で効率よくスパッと練習するのが日本人に合っていると思いました。
 
岩政 石井さんは4-4-2に結構こだわっていたように感じたのですが、それは鹿島だからですか? 他のチームに行ったら変わります?
 
石井 他のクラブに行けば、所属選手のキャラクターに合わせて別のシステムを採用するかもしれません。鹿島は選手を獲得する時に4-4-2にハマった選手を獲るから、鹿島で指揮を執る限りは、システムはいじらないほうがいいとも思っていました。
 
岩政 そうですね。これまで獲得する選手のタイプも一貫していましたが、強化責任者の(鈴木)満さんが勇退したら、鹿島はどうなるんでしょうね。
 
石井 吉岡宗重さんが引き継ぐと思いますが、そこでどうなるかはターニングポイントのひとつですね。あとは、事業部の鈴木秀樹さんの後継者も。満さんと秀樹さんは、クラブの強烈な2トップですから。
 
岩政 ふたりが抜けた時が、一番の鹿島の修羅場かもしれません。そこをどう乗り切るか。
 
石井 もしかしたら、そのタイミングで次の鹿島が見えるかもしれませんよ。逆に今は創設当時から、あまり変わっていませんから。
 
岩政 そうですね。これまでは、それによって一貫性が保たれていましたよね。
 
石井 そう。だから、私もその辺まで頑張りたいなと思っていたんですけど、ダメでした(笑)。岩政さんもそのあたりを狙って鹿島に戻ってみては?
 
岩政 どうでしょうね。私も自分と鹿島にまた接点が生まれるのかどうか、興味を持っています。ただ、鹿島から声がかからなければ生きていけないような道は歩みたくない。違う道もある状態で、どうするか決めたいというのが今の希望です。
石井 さすがですね。
 
岩政 不安なだけですよ。ただ、次の鹿島がどうなるかは、ちょっと楽しみですね。でも、鹿島の弱みってなんでしょう? サッカー的な面でいうと、ブラジル人はカウンターを受けるような戦い方を嫌がりますよね。それによってなかなか相手の懐に入っていけない時もあります。
 
石井 引かれたチームにはダメな時がありますね。それもどうにかしたかったんですが……。
 
岩政 良くも悪くも今までの伝統があるから、なかなか変えるのは難しい面もありますね。
 
石井 ただ、アグレッシブな守備は面白いんですよ。私はインターセプトが大好きだったので、それをみんなに伝えたい気持ちもあるんです。
 
岩政 守備の楽しさを知って育つサッカー少年は減ったかもしれません。
 
石井 だから、日本の守備は組織で人を揃えてスペースを埋めてという方向に進んでいるんでしょう。もちろん、それも大事ですが、小さい頃は自分から足を出してトライしていかないと、大人になった時に奪えないと思います。
 
岩政 守備の楽しさは、ひとに言われても分からないですからね。やりながら楽しさが分かるといいんですが。
 
石井 まず自分で奪う楽しさを覚えて、グループで取りに行く楽しさに進むのがベスト。そこからチーム全体でハメて奪うのも気持ち良い。そんな守備の醍醐味も伝えていきたいですね。