米トップ企業の100年 フォーブス創刊からの変遷を追う

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フォーブスが過去1世紀にわたりまとめてきた米トップ企業ランキングを見ると、畏敬の念を感じずにはいられない。米経済は、定期的に新たな巨大企業を作っては容赦なく打ちのめし、この「創造的な破壊」によって新たな雇用や富、業界、イノベーションを生んできた。

今年の市場価値が高い企業ランキングで上位6位に入った企業は、ウォーレン・バフェットのバークシャー・ハサウェイを除き、1967年には存在さえしていなかった。そのうち3企業は、創業25年にも満たない。

1917年の初代フォーブスランキングに名を連ねた企業50社の中で、100年間社名を変えることなく生き残った企業は、アメリカン・テレフォン・アンド・テレグラフ(AT&T)とゼネラル・エレクトリック(GE)の2社のみだ。うちAT&Tは1984年に政府により事業を分割されたことは良く知られている。

また、顕著な変化は利益の民主化だ。100年前の米国での大きな懸念は、独占をもくろむ米ウォール街投資家が管理するトラスト(企業合同)とその後継企業だった。一方、現在のランキングではウォルマートやマイクロソフト、アップルなど、平均的な投資家が投資対象とするような一般的なブランドが主流だ。

<1917年>

業界別の資産価値総額
1位 鉄鋼(35億7300万ドル)
2位 石油・ガス(14億1800万ドル)
3位 採鉱(11億5500万ドル)
4位 食料品(8億4200万ドル)
5位 通信(7億6200万ドル)

トップ10社
1位 USスチール(鉄鋼)
2位 AT&T(通信)
3位 スタンダード・オイル・オブ・ニュージャージー(石油・ガス)
4位 ベスレヘム・スチール(鉄鋼)
5位 アーマー・アンド・カンパニー(食料品)
6位 スウィフト・アンド・カンパニー(食料品)
7位 インターナショナル・ハーベスター(重機)
8位 イー・アイ・デュポン・ド・ヌムール(化学)
9位 ミッドベール・スチール・アンド・オードナンス(鉄鋼)
10位 USラバー(ゴム)

保有資産を基にした1917年の米トップ企業ランキングでは、上位50社のうち40%が石油か鉄鋼、採鉱企業だった。この中には、1911年に解体されたジョン・D・ロックフェラーのスタンダード・オイル後継企業も多く含まれている。

しかし「トラストの時代」は、この時点でもまだ消えていない。当時の第1位は、政府が1911年に解体を試みて失敗した、アンドリュー・カーネギーのUSスチールだった。同社の当時の資産は25億ドル。現在の貨幣価値に換算すると470億ドル(約5兆3000億円)で、第2位のAT&Tの3倍以上だ。アメリカン・タバコ(20位)やUSラバーなどのトラストも上位に名を連ねている。

<1967年>

業界別の市場価値総額
1位 石油・ガス(550億ドル)
2位 テクノロジー(370億ドル)
3位 通信(340億ドル)
4位 フィルム(320億ドル)
5位 自動車(300億ドル)

トップ10社
1位 IBM(テック)
2位 AT&T(通信)
3位 イーストマン・コダック(フィルム)
4位 ゼネラル・モーターズ(自動車)
5位 スタンダード・オイル・オブ・ニュージャージー(現エクソンモービル)(石油・ガス)
6位 テキサコ(現シェブロン)(石油・ガス)
7位 シアーズ・ローバック(小売)
8位 ゼネラル・エレクトリック(複合企業)
9位 ポラロイド(フィルム)
10位 ガルフ・オイル(石油・ガス)

1967年のトップはIBMで、市場価値は352億ドル。現在の貨幣価値にして2590億ドル(約29兆1000億円)で、現在のウォルマートと同水準だ。当時の上位50社には1917年にはほぼ存在しなかった製薬(4社)、テクノロジー(2社)、航空宇宙・軍需(2社)といった業界の企業が登場した。

1967年は、資産でなく市場価値に基づいてランキングが作成されたため、安全・着実な配当金提供を続ける電力・ガス企業3社がランキング入りした。また、石油は米国の過去100年間の歴史の背景に常に存在している。エネルギー部門は、電力・ガス会社を除いてもトップ50社の18%を占める最大の業界だった。