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ライター紹介

塚田亮一

餃子の食べ歩きブログ「東京餃子通信」編集長。「餃子は完全食」のスローガンのもと、訪問したお店は1,000軒以上。首都圏を始め、宇都宮・浜松などのご当地餃子の街、さらには世界中の「美味しい餃子」を求めて食べ歩く餃子のスペシャリスト。食べあるきオールスターズ「食べあるキング」の餃子担当も務める。

 

こんにちは、餃子専門ブログ「東京餃子通信」編集長の塚田亮一です。

皆さん、この夏休みはどのような過ごし方をされましたか?私は家族で高知旅行に行ってきました。日本最後の清流四万十川をカヌーで下ったり、山の中の村で民泊をしたり、坂本竜馬ゆかりの史跡を回ったり、よさこい鳴子踊りを体験したりと盛りだくさんの旅行でした。もちろん現地で餃子の食べ歩きもしてきました。

そんな訳で、今回の「結局、餃子とビール」で紹介するのは、ビールとの相性抜群の高知生まれの餃子店をご紹介!

高知の屋台で生まれた老舗餃子店

創業昭和45年の「安兵衛」は、高知の繁華街の中心からは少し外れた川沿いで小さな屋台としてスタート。

現在は50席を超える大規模な餃子屋台に成長し、数年前には東京・恵比寿にも進出。「えびすの安兵衛」として営業を開始し、都内でも高知の屋台餃子が楽しめるようになりました。

恵比寿通りから少し入ったところにある「えびすの安兵衛」には、開店直後から店内に行列ができる人気っぷり。店内も本家「屋台の安兵衛」の雰囲気を踏襲した屋台風の作りで、非常に活気もあります。この雰囲気だけでもお酒が進んでしまいます。

やかんビールでまず乾杯!

店内には高知の日本酒などが並んでいますが、まずはビールを注文。ちなみに「えびすの安兵衛」では、ビールもちょっと変わった容器で出てきます。

その容器はというと、なんと「やかん」です。お湯を沸かすあのやかん。しかも、超クラシックなスタイルのやかんです。

昭和生まれの世代の方にはスクールウォーズに出てくる「魔法の水が入っているやかん」だと言えば伝わるでしょうか?こちらでは元気が出る別の「魔法の水」=「ビール」がやかんに入っています。

このやかんが実は優れもので、普通のピッチャーで注ぐよりも泡切れがよくおいしくビールが注げます。飲み屋のテーブルにやかんが置いていあるというちょっと変わった状況で、なんとなく気分が上がる効果もあるようです。

注文が入ってから包むパリッパリの揚げ焼き餃子

ビールのお供に指名したいのは、もちろん焼餃子。安兵衛の焼餃子の特徴は何といってもパリッパリに焼き上げられた焼き目。

お皿に並べられた餃子の黄金色の焼き目の美しさにいつも感動します。このパリッパリの食感の秘密は、超薄皮と鉄のフライパンです。

皮を手に取ると向こう側が透けて見えるほど薄く伸ばした皮を使っています。皮があまりにも薄いので包み置きをすると、皮が餡の野菜の水分を吸ってくっついたり破けたりしてしまうため、安兵衛では餃子の注文が入ってから餃子を包み始めます。

これは本家の「屋台の安兵衛」でも「えびすの安兵衛」でも共通の絶対に守らなくてはならない製法。このため店の奥の方では常に職人さんが餃子を包み続けています。

餃子を包む「巻き」の工程を習得するには1年間ぐらいの修業期間が必要なのだとか。

更に、この超薄皮の餃子を熱々に熱した鉄のフライパンで油を贅沢につかって揚げ焼きにすることで、安兵衛独特の黄金色でパリッパリ食感の焼き目を実現しています。餃子の底面だけでなく縁の部分もかなり高い位置まで焼き目がついています。

パリッパリの皮の中に包まれている餡は豚肉と餃子の餡はキャベツ、ニラ、ニンニク、ショウガなど野菜たっぷり。特に、ニラやショウガといった高知特産の良質な香味野菜を贅沢につかっているので、野菜の甘みとともにとてもさわやかな香りが口の中に広がります。

パリッとした食感の次にホロホロっと餡が口の中で解けていく様子は、他の餃子では味わえません。一度食べるとやみつきになること間違いなし!さすが酒豪が集まる街として知られる高知で生まれた餃子だけあって、おつまみとして非常に完成度の高い餃子に仕上がっていますね。

ちなみに、本家屋台の安兵衛では餃子は一種類でニンニク入りの焼き餃子のみなのですが、「えびすの安兵衛」では、ニンニク有りとニンニク無しから選べます。

ただしニンニクの匂いが気にならない方は、是非、本家と同じニンニク有りを選んでほしいです。ニンニクのパンチが効いていた方がビールに合うと思います。

更にビールと合わせるときには、酢醤油ベースの専用の餃子ダレにラー油でたっぷり辛味を足したタレをつけて食べるのがおすすめ。ラー油とニンニクの刺激でビールが止まらなくなります。

ビール、餃子、ビール、餃子を繰り返して気づくとお皿から餃子がなくなっていることでしょう。

皮の存在が消える超薄皮水餃子

「えびすの安兵衛」には焼餃子の他に水餃子も用意されています。水餃子は「屋台の安兵衛」では出されていないメニューなのですが、安兵衛独特の触感と風味が楽しめますので、こちらも必ず注文しましょう。

こちらもニンニク有りと無しを選べるのですが、水餃子はショウガとニラの香りを主役にしたいのでニンニク無しがおススメです。

超薄皮餃子を茹でた水餃子は、餡の野菜が透けて見えるほど。焼餃子同様に餃子のタレにつけても良いのですが、付属のスープを使って食べると新たな水餃子の境地が見えてきます!

餃子が崩れないようにレンゲに乗せ、ゆっくりとスープに少し浸します。そしてスープと一緒に口の中に入れると、餃子の皮が魔法のようにその存在を消してニラとショウガの香りがスープとともに口の中に広がります。皮がオブラートのように溶けてしまったかのように感じられます。

元々、私は水餃子はモチモチの厚皮で作るものだという固定観念を持っていたので、安兵衛の超薄皮の水餃子との出会いは衝撃的でした。皮が主体ではない、新たな水餃子の可能性を感じる一品です。

更に水餃子を1〜2個残しておき、スープの中で軽く崩して、ラー油をちょい足しするという宇都宮スタイルの食べ方にも適しているのでお試しください。

おでんと高知名物のおつまみも外せない

安兵衛の餃子は軽いので、ビールと餃子がいつまでも続けられそうですが、高知ならではのおつまみメニューも用意されているのでぜひ試してほしいところです。

まずは本家「屋台の安兵衛」でも人気メニューのおでん。熱々のおでんを食べて汗をダラダラ流しながら飲むビールもおいしいですよね。

昔ながらの屋台の味を伝承し、味付けもあっさり目に仕上げています。高知名物の練り物「すまき」もおでん種として用意されています。すまきは竹輪のような棒状の練り物なのですが、表面が焼かれていないので味は蒲鉾に近いです。魚本来の旨味が詰まったおでん種です。

高知名物のおつまみでは、他にも竹輪にキュウリが刺さった「ちくきゅう」や「酒盗」「なまぶし」などお酒が進むメニューがいろいろと取り揃えられています。

更には、〆のメニューには甘く煮たカツオフレークをご飯に乗せた「カツオ飯」や高知産の釜揚げちりめんじゃこをご飯に乗せた「じゃこ飯」。

そして、デザートには高知名物のアイスクリンが用意されているので、恵比寿にいながら高知の屋台を満喫することができます。

営業時間も深夜1時まで長めに営業をしているので、一軒目としての利用だけでなく、飲んだ後の「〆餃子」としても便利使いできる、まさに酒飲みのための餃子店。

高知の屋台餃子の文化を東京で広める貴重なお店ですね。私もそうだったのですが、「えびすの安兵衛」で高知の魅力に触れると、高知に行きたくなると思いますよ。

 

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