自由民主党公式サイトより

写真拡大

 25日に記者会見で、28日の臨時国会冒頭での解散を発表する予定の安倍首相。しかも、28日の臨時国会では、野党も同意している北朝鮮への非難決議を採択する予定だったが、安倍自民党はこれを見送る方針らしい。決議案採択の手続きに入れば内閣不信任決議案が提出される可能性があり、そこで野党から批判を浴びるのを恐れてのことだという。

 国連でもあれだけ北朝鮮への圧力強化を呼びかけていたのに、テレビ中継が入る国会で批判されることを避けるためだけに、北朝鮮への非難決議の採択さえ見送る......。言っていることとやっていることがあまりに違いすぎるではないか。

 安倍首相がここまで強引に解散にこだわる最大の理由はもちろん、森友・加計疑惑隠しだ。

 じつは、ここにきて、それをさらに裏付ける話が飛び出した。加計学園の岡山理科大学獣医学部新設をめぐる文科省の大学設置・学校法人審議会(設置審)の認可判断が8月から10月に延期されたことは既に報道されているが、その詳しい日程について、日本維新の会の下地幹郎衆院議員が「文科省の関係者から話を聞いた」として、こんなツイートをおこなったのだ。

〈「10月23日」、文科省の審議会において加計学園の認可判断が下されることになりそうです。
この「10月23日認可判断」という日程から逆算すれば、「9月28日の冒頭解散」しかありえない、という判断が行われたようであります。〉

 ようするに、安倍首相は加計の認可判断が出る前に選挙をやってしまおうと、冒頭解散を決め、22日投票、翌23日に設置審判断というスケジュールにしたと下地議員は言うのだ。これが事実なら、あまりにあからさまなスケジュールではないか。

 いや、下地議員の言う「23日」でなかったとしても、状況に大きな違いはない。

 実は、20日に開かれた民進党の加計学園疑惑調査チームによる会合で「設置審の判断時期」について問われると、文科省側はしどろもどろになって、このような回答をした。

「10月中......? 10月中かと思われます」
「いつなのかはよくわかりませんので、そこは粛々とやらさせていただくということかと思います」
「10月の後半、10月の末、10月中」

 ようするに、官邸と文科省の間では、設置審の認可判断は選挙が終わった後の10月中、ということで完全に話がついているのだ。

 その理由はもちろん、世論の批判を受けずに加計学園に獣医学部を開設させるためには、そのスケジュールしかないからだ。

 8月の認可判断は見送った文科省だが、官邸を忖度して来年4月開学に間に合うよう認可をするのは既定路線。しかしそのためには、10月中の認可判断がタイムリミットになる。

 しかし、選挙期間中に認可判断の結果が出されれば、安倍自民党にとっては大打撃になることは確実だ。

 国民の加計学園問題に対する関心は以前高く、毎日新聞が今月2・3日におこなった世論調査でも、獣医学部新設問題について「以前より(関心が)高くなった」と回答したのは42%にものぼっている。

 当然だろう。「加計ありき」「総理のご意向」というお友だち優遇の政治の私物化という疑惑はいまだ何ひとつ晴れておらず、安倍首相は追及から逃げたまま。さらには、現在建設中の獣医学部施設をめぐっても、バイオセキュリティの面で危機管理体制の不備や建設費の水増し疑惑などが指摘されている。もし、このような状態で認可という判断が下されれば、大きな批判が起こることは火を見るより明らかだ。

 そのため、安倍官邸と文科省は、設置審による認可判断を10月中に延期した時点から、スケジュール調整を行っていたらしい。

「先に設置審判断と解散、どっちを先に決めたのか、は判然としませんが、完全に加計ありきで、解散スケジュールを組んだのは間違いないですね」(全国紙政治部記者)

 スケジュールまで計算しているとは、まさに「加計隠し」、ここに極まれりではないか。

 しかも、安倍首相にはもうひとつ、森友学園の問題もある。すでにお伝えしているように、今回の解散は、現在、大阪地検特捜部が進めている近畿財務局の背任容疑での捜査を潰す目的がある。特捜部は「近畿財務局の職員逮捕に向けて本格的に動いている」という情報もあるが、選挙期間に入れば捜査もストップ。もし、選挙で自民党が勝利をおさめれば、安倍官邸の力はいまよりも増し、検察が捜査をつづけることはできなくなる。

「大義がない」と言われるこの解散だが、安倍首相にしてみれば、大義はあるのだろう。それは「加計疑惑の再燃よりも前に選挙に勝つための解散」「森友疑惑を潰すための解散」という、自分勝手極まりない大義だ。

 もし、この「わがまま解散選挙」で安倍自民党が勝利すれば、安倍首相は森友・加計疑惑にかんして「国民から信任を得た」「禊ぎは済んだ」と言って追及を完全に封じ込めるだろう。そんな手前勝手な幕引きを許すのか、許さないのか。選挙の争点は、これ以外にない。
(編集部)