トイレの神様は本当にいるのか!? 山伏に聞いてみた

写真拡大

「トイレには神様がいる」そんな歌詞の入った歌もかつて流行したが、昔から、「トイレを掃除すると美人になる」とか「金持ちになる」などの話も聞く。トイレ掃除で運気が上がるのならばキレイになって一石二鳥。試してみたくもなるが、本当にトイレに神様はいるのだろうか? サラリーマン山伏として活動する東瑞龍さんからトイレをキレイにすると運が上がるのか? 専門家としての意見を聞いた。

■烏枢沙摩明王(うすさまみょうおう)は不浄なものを浄化する仏様

「山伏が拝む神仏の中で、トイレにまつられているのは烏枢沙摩明王(うすさまみょうおう)という仏様です」と東さん。元々は、不浄なものを焔(ほのお)で浄化する仏様だったそう。

「不浄なものを浄化する能力から、不浄なる場所を清めるとして、厠、すなわちトイレにまつるようになりました。その他、出産時などにも威力を発揮することから、下半身にご利益のある仏様としても人気があります」(東さん)

なんと出産時にも威力があるという。ただ出産が不浄と結びつかないようにも思うが……。

「そうですね、不浄な場所としてトイレはピンとくるかもしれませんが、出産の現場が不浄というのは抵抗があるかもしれません。昔の人は、心理的に清浄ではないなと感じるものを『ケガレ』としていたと考えると良いでしょう。出産の場では出血により血のケガレが出てしまう、また衛生的にも清浄にしておく必要があるからとも考えられます。この『ケガレ』を浄化するということで烏枢沙摩明王のお力を頼むわけです。トイレも、烏枢沙摩明王のお力で浄化され清浄になるわけです」(東さん)

トイレのケガレを浄化する仏様を呼ぶに当たって失礼にならないように物理的にも綺麗にするようにした結果、お寺では修行の一環としてトイレを掃除するようになったのではないかとのことだ。また「お坊さんの中には、烏枢沙摩明王の呪文(真言)を唱えて、トイレの不浄がその身につかないようにして入る人もいます(宗派によります)」とのことだ。

トイレの神様や仏様に失礼にならないよう掃除には気を配った方が良さそうだ。

■「掃除で運が良くなる」には理にかなった理由があった!?

東さんによるとトイレを綺麗にすると運が良くなるという説も「昔のトイレは今と比べ物にならないくらいに不潔だったと考えられます。トイレの衛生事情が流行病の原因の一つだったでしょう。ですからトイレに行くとケガレがついて病気になる=トイレをキレイにすると健康になるひいては運気も良くなると考えたのではないでしょうか」とのこと。

「今では、伝染病がトイレで感染するケースがあるということは科学の力で解明していますが、昔の人もなんとなくトイレで病気になるということを直感的に感じていたのでしょう。ただその原因は魔物やケガレからなると信じられてきましたから、まずはそこを清浄にして護っていただく、そこからトイレの方角やトイレの扱い方など、気にするようになったわけです」(東さん)

無病息災の願いは医療が未発達だった時代、現代人よりもはるかに切実な願いだっただろう。「ですから、トイレを綺麗にするのは全くの迷信ではなく、理にかなった言い伝えとも言えるかと思います」ということだ。運の良い悪いも健康あってこそ、無病息災に過ごすためにもトイレを綺麗にするよう気を配りたい。

なお、「教えて!goo」では「トイレ掃除ってどのくらいの頻度でやるもの!?」という記事も公開中。併せて読んでみよう。

●専門家プロフィール:東瑞龍
1976年長野県生まれ。大学院在学中に山伏研究から山伏になる。漫画家である妻のコミックエッセイ『ウチのダンナはサラリーマン山伏』(実業之日本社)にて赤裸々に実情を描かれている。

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)