搭乗券に「SSSS」の文字があったら…!?(画像は『Metro 2017年9月21日付「If you find ‘SSSS’ on your boarding pass at airports, good luck getting through customs」(Picture: Twitter)』のスクリーンショット)

写真拡大

アメリカの空港セキュリティチェックポイントで、米運輸保安局(TSA)の職員によるしつこいほどの検査を受けている人を見かけることがある。素直に指示に従わない者はもちろんだが、中には手にしている搭乗券に「この人物には十分な検査が必要」との指示が隠されている場合があるそうだ。

もしもアメリカの空港でチェックインカウンターから渡された搭乗券にアルファベットのSが4つ印字されていたら、それはあなたが“要注意人物”とみなされた証拠だと伝えたのは英メディアの『Daily Mail』や『Metro』。セキュリティチェックではバッグからノートパソコンなどを出し、コートを脱いでベルトを外し、靴も脱ぐのが常識となっているアメリカの空港。全身透視スキャナーでは裸にさせられたような気分になるが、それが今時のテロ対策、危機管理システムであれば仕方あるまい。しかしSSSSとある搭乗券を持っている人物はさらに時間をかけたチェックが行われ、バッグの中身をくまなくチェックされ、靴下すら脱ぐよう指示され、別室に連れていかれるケースもある。もちろん抵抗すれば搭乗を拒否されるだけだ。

搭乗者が見ても何の意味があるのかまったくわからない「SSSS」の文字。これはSecondary Security Screening Selectionの略で、その搭乗者に対しては衣類から持ち物まで十分すぎるほどのチェックを行ったほうがよいという意味でカウンターからTSA職員に申し送る隠語のようなもの。ESTA渡航認証で「拒否」という回答を得たことがある人物、また機械を利用したセルフチェックインやウェブチェックインがなぜかできず、カウンターで直接手続きするように指示された場合もSSSSリスト入りして厳しいチェックを受けることがあるそうだ。

「無作為に選ばれた搭乗券にSSSSと印字される」と主張するTSAだが、同じ人物が毎度しつこいチェックを受けているため無作為のはずがないという情報もある。どうもTSAは片道チケットを購入する、あるいはクレジットカードではなく現金で購入する(個人情報の把握を嫌がっているとみなされる)搭乗者をSSSSのリストに入れている可能性が高いというのだ。また中東に頻繁に海外に渡航するというTwitterのユーザー・Touring Tonyさんは、「私がいつもSSSS扱いだよ。もっと自由に旅行を楽しみたいのにまさにハラスメントだね」とつぶやいている。

しかし彼のような人々にも救済策、つまりSSSSリストからの削除を求める方法はある。それは米国国土安全保障省に対して渡航者異議申立てプログラム(Traveler Redress Inquiry Program)の申請手続きを行うこと。テロリストと同姓同名などの理由で危険人物と識別されていた人は、誤解を解いた上でリドレス番号(Redress Number)をもらうと事態は改善されるそうだ。アメリカに旅すると必ず別室で厳しい検査を受けるが何もやましいことはしていないという方は、何らかの誤解が生じている可能性がある。是非とも搭乗券にSの文字が4つ並んでいないか、まずはそちらからチェックしてみて頂きたい。

画像は『Metro 2017年9月21日付「If you find ‘SSSS’ on your boarding pass at airports, good luck getting through customs」(Picture: Twitter)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)