ポルト戦の中島のスタッツ。シュートは1本だったが、それをきっちり決めて見せた。データ提供:ゴールポイント

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 今夏にFC東京からローンでポルティモネンセに加入した中島翔哉は、9月22日のリーガ・ノス(ポルトガル1部リーグ)第7節のポルト戦にスタメン出場。入団以来、国内リーグの2試合連続で先発し、2得点・1アシストを記録している23歳は、北部の名門との一戦でも高いスキルを見せた。
 
 とはいえ、試合を支配したのはやはりポルト。20分にイバン・マルカノ、23分にヴァンサン・アブバカル、26分にムサ・マレガが立て続けにゴールネットを揺らし、3点を先行した。
 
 30分の時点でポルトは9本のシュート(うち枠内が5本)を放ち、66%のポゼッションと85%のパス成功率を記録。完全にゲームを支配しており、さらなる追加点の匂いも漂った。
 
 しかし、この流れを中島が止める。36分にパウリーニョからペナルティーボックス手前右際でパスを受けた小柄な背番号23は、相手DFフェリペをワンフェイクで交わし、右足アウトサイドで美しいゴールを決めて見せたのだ。名手イケル・カシージャスも成すすべがない、見事な一撃だった。
 
 これで2試合連続ゴール、3試合連続で決定機に絡んだことになる。その中には、国内リーグを4連覇中のベンフィカ、そしてポルトの両名門とのアウェーゲームが含まれる。特筆すべきことだ。
 
 後半に入ってもポルトが優勢に試合を進め、49分と68分にヤシン・ブライミがゴールを奪い、スコアは5-1に。終了17分前にルベン・フェルナンデスの得点でポルティモネンセも1点を返したが、反撃もそこまで。後半は互いに8本のシュートを打ったものの、決定力と守備力の違いが最終結果に現われた格好だ。
 
 筆者が運営する『ゴールポイント』では、170項目以上のデータを独自のアルゴリズムで解析し、各選手を採点しており、前節のフェイレンセ戦で2得点を決めた中島は8.5を獲得。リーガ第6節の最高点だった。
 
 この日のポルト戦でも、ポルティモネンセで唯一トップレベルの技術を披露した中島は、ドリブルを7回中4回成功させており、ブライミ(9回中8回成功)に次ぐ数字を記録。ただし、ボールコントロールのミスが3度あり、試合を通じたパス数も16本(成功率は63%)にとどまった。
 
 これらの数字は、日本人アタッカーが高い位置で孤立しがちだったということを示しており、周囲のサポートが求められる。
 とはいえ、ポルトガルではほぼ無名だった日本人の小兵アタッカーが、リーガ・ノスの新シーズンにフレッシュな驚きをもたらしているのは、まぎれもない事実だ。
 
 ポルト戦後には、『A Bola』電子版が、「中島がまた見事なフィニッシュでポルティモネンセにゴールをもたらした。エスタジオ・ド・ドラゴン(ポルトの本拠地)に素晴らしい瞬間が訪れた。パウリーニョのパスを受けた日本人アタッカーは、フェリペを抜いて右足のアウトサイドで見事なシュートを放ち、名手カシージャスを抜いた」と報じている。
 
 我が『ゴールポイント』によるポルト戦の中島の採点は及第点の5.8。ここまで国内リーグで毎回ゴールに直結する働きを見せ、3試合で3得点・1アシストを記録しているこの日本人アタッカーが、ポルティモネンセで最も重要な選手のひとりになっているのは間違いない。
 
 いや、リーガ全体でも「序盤戦の主役のひとり」に数えても、決して大げさではないだろう。今後もこの小柄なウイングを注視していきたい。
 
文:ペドロ・ゴンサウベス(ゴールポイント)
翻訳:井川洋一