【TGS2017】近未来のアンドロイドをめぐる物語を描いたネオノワールスリラー『Detoroit: Become a Human』メディア向けセッションレポート

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2017年9月21日〜9月24日に幕張メッセにて開催中の「東京ゲームショウ 2017」。今回は、2018年上期にリリース予定のPS4向けアドベンチャー『Detoroit: Become a Human』のメディア向けセッションをレポートします。セッションには、エグゼクティブプロデューサーを務めるGuillaume de Fondaumiere氏が登壇。デモプレイを交えながらゲームをプレゼンテーションし、質疑応答が行われました。

■『Detoroit: Become a Human』プレゼンテーション
『Detoroit: Become a Human』は、アメリカミシガン州デトロイトを舞台にした近未来の話で、チームではネオノワールスリラーと呼んでいます。この近未来では、人間そっくりのアンドロイドがあらゆる場所で利用されています。アンドロイドは人間のように行動し会話をしますが、あくまでモノにすぎず、人間のために働くという機能を持っています。

行政や交通機関で働いていますが、子守やドライブ、料理といったプライベートな場でも使用されています。アンドロイドは移動範囲が厳しく制限され、自身がアンドロイドであることを明示するような服装の着用を義務付けられており、胸にある四角いサインや右のこめかみにある円形のLEDが特徴です。

これらのアンドロイドのお陰で、人間は単純作業や繰り返し労働から解放された一方、高い失業率も生み出しました。また、このゲームの開始時点で、非常に少数なアンドロイドが異常な兆候をしています。変異体と呼ばれるアンドロイドは、失踪したり、持たないはずの感情を持っているかのような挙動を見せています。

プレイヤーは3体の異なるアンドロイドを操作し、3つの視点から物語を体験します。コナーは変異体と呼ばれるアンドロイドを捜査するハンターです。彼は特別な目的のために製作されたモデルのプロトタイプで、変異体の挙動を捜査するために製造されました。カーラは、すべての物語の源とも言える存在で、2012年に発表された『カーラ』という映像作品に登場しています。

今回は、マーカスについて紹介します。彼は自らの所有者から逃亡し、変異体のアンドロイドグループに加わります。彼らは協力して、人類に対してあるメッセージを送ろうとしています。それは、アンドロイドはモノではなく、命であるというものです。

『Detoroit: Become a Human』においては、プレイヤーの行動や選択がストーリーの変化や成り行きに大きく影響します。すべてのシーンでたくさんの分岐があり、プレイヤーの選択によってキャラクターの行動や選択も変わるので、物語全体が大きく変化します。今回のデモプレイで見せる選択はそのひとつに過ぎません。

デモでは、マーカスを主人公として操作。彼には特別な能力があり、他のアンドロイドを変異体にできます。そのため、変異体のノースとともに、店で売られている仲間のアンドロイドを解放するという任務を持って中心街に向かうシーンがプレイされました。

■『Detoroit: Become a Human』デモプレイ

舞台は雪の降る夜のキャピタルプラザ、アンドロイドたちはショーケースに入れられ展示されています。マーカスたちはまず、警報システムを発見、オフにすることを狙います。R2ボタンを押すと、その時点におけるキャラクターの目標を確認できる「マインドパレス」が表示されます。黄色のサインはその時点でインタラクトできる場所を示し、シーンが進むにつれて更新されていきます。

このデモでは警報システムをオフにしたものの、警戒中のドローンに見つかってしまい、逃げる選択をして終了となりました。選択によっては主人公やキャラクターが死んでしまうこともあるので、危険にさらさないことも重要とのこと。ただし、マーカスたちの命は救えましたが、仲間のアンドロイドは助けられなかったため、この後のストーリーに影響していきます。

次のデモでは、警報装置を無効化した状態で、ドローンを無力化するところからスタートしました。マーカスはドローンの軌跡を分析し、移動ルートを感知して起こりうる状況をシミュレートして撃墜に成功しました。続いてトラックを発見し、ショーケースに突入。マーカスの能力を使ってアンドロイドたちを次々に解放していきました。このプレイではすべての妨害を解除していましたが、排除しないままトラックを使うこともできるそうです。

続いて、開放したアンドロイドたちに向かって演説を行ったマーカスは、彼らとともに騒動を引き起こします。スローガンとして掲げるメッセージは、暴力的・平和的なものが選択できます。他のアンドロイドはマーカスを模倣するため、どのようなメッセージをとるかによって、この後のストーリーが大きく変化するとのこと。モニターを破壊するかハッキングするか、椅子を倒すのか、火炎瓶を投げるのか、自由の旗を掲げるのか、さまざまなアクションによって集団の性質が変化していきます。

どのようにシーンをプレイするかによってマーカスのストーリーは変化しますが、同時に他の2人の運命やデトロイト市全体の様子も変わっていきます。行動次第によって、出会って友情を築いたり、そもそも出会わないこともあるとのこと。主人公たち以外にも250人以上のキャラクターが登場するので、生き残るキャラクターもいますし、そうでないキャラクターもいる、存在すら知らないこともあるそうです。

すべてがプレイヤーの選択の結果であり、プレイヤーにその主人公になってもらうような作り方をしているため、キャラクターの運命は本当にプレイヤーの手に委ねられているのです。

■エグゼクティブプロデューサーのGuillaume de Fondaumiere氏ミニインタビュー

──なぜデトロイトを舞台にしたのですか?

Fondaumiere氏:アメリカを舞台にすることは決まっており、大規模な製造業ができる都市を考えていました。そこで過去のデトロイト市の歴史に興味を引かれました。自動車産業が発展したモーターシティとして栄光の歴史を経験した都市であり、大きな没落をむかえています。熟練労働者もいますし、市自身が再生しようと努力しています。たとえば数ヶ月後、数年後に小さなスタートアップ企業が誕生して、アンドロイド産業が興隆していくのはおもしろい可能性だと思いました。20年後、都市がどのような姿になっているか想像するかにも興味があり、舞台に選びました。

──カーラはどんな能力を持っていますか?

Fondaumiere氏:それぞれのキャラクターは特別なアンドロイドのモデルで、ちがう目的のために作れており、アンドロイドがおかれた特徴的な状況をそれぞれ代表しています。ただ、カーラの能力はいまはお伝えできないので、後日発表をお待ち下さい。

──主人公を3人にした理由は何ですか?

Fondaumiere氏:複数のキャラクターを選んだ理由は、いろいろな面からストーリーを描きたいからです。また、キャラクターが死んでもゲームは続くので、あまり少ないとゲームが短くなってしまうこともあります。最初はもっと多いキャラクターからシナリオを書いていき、より特徴的な立場を持っているアンドロイドに絞っていった結果、3人に落ち着きました。キャラクターの心情を体験できるようなストーリーを試行錯誤しているので、ベストだと思えるような数と量になりますね。

──エンディングは何パターンぐらいありますか?

Fondaumiere氏:まず、すべての分岐がしっかり機能しているか確認するために特別なシステムを作らないといけないぐらいに、分岐はたくさんあります。エンディングだけではなく、そこに至る内容の分岐も多く、テキスト量は『BEYOND: Two Souls』の2倍です。エンディングの種類も多く、途中でキャラクターが死んだり、出会わなかったりといった経験や関係、体験をするかの分岐があるので、多彩なストーリー体験ができます。TGSでは人質である少女を救って誇らしい気持ちになれますが、罪悪感をいだきながら少女を救うというパターンもあります。そのちがいはそれぞれにおけるシーンのプレイヤーの決断と、他のキャラクターとの関わりに依存し、2人のプレイヤーが同じエンディングを迎えても同じ体験をしたとは思えないでしょう。

──ありがとうございました。

■関連リンク
『Detoroit: Become a Human』公式サイト