「ランチ後」に必ず眠くなってしまう理由

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睡眠を「一日のご褒美」と考えている人は、一流にはなれない。一流のビジネスパーソンは、睡眠を「投資」と捉えて、「明日のためには、どう眠ればいいか」と未来志向で考える。だからといって、ただ睡眠時間を増やせばいいわけではない。8項目のチェックリストから「一流の睡眠法」を確認していこう(全9回)。

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Q.ランチ後に襲ってくる睡魔。どう対処すべきか

A.食事量を減らす
B.思い切って昼寝する

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■午後2時から襲う「トリプルパンチ」

昼食後に眠くなる理由は3つあります。

1つ目は生体リズム。人間の眠気のピークは、夜中の午前2〜4時、お昼の午後2〜4時の2回です。昼食後は、放っておいても自然に眠くなる“魔の時間帯”です。

2つ目は、ホルモンの問題です。ごはんを食べると、覚醒を促す「オレキシン」というホルモンの分泌が抑えられます。目を覚ます力が鈍くなれば、眠くなるのは当然です。

そして3つ目は、疲れの問題。午前中に集中して仕事をしていると、疲労を感じた体や脳が休息を求めて、眠るようにサインを出してきます。これらのトリプルパンチで昼食後に睡魔が襲ってくるわけです。残念ながら、眠気を気合で吹き飛ばすことはできません。魔の時間帯に対応した仕事のやり方をすべきです。

この時間帯に単純作業を入れるのは避けてください。デスクワークより、営業の外回りのように体を動かす仕事のほうがいい。室内で会議をやるとしても、立ってやるなどの工夫をしたいところです。

■「戦略的な昼寝」のコツ

戦略的な昼寝もおすすめです。短時間でも昼寝をすれば、睡眠圧が下がって眠気が取れます。ただし、長く眠ると深い睡眠に入ってしまうので、20分以内に抑えることが大切。

コツは、昼寝の前にコーヒーを1杯飲むこと。カフェインには覚醒作用がありますが、作用するのは摂取してから30分後。昼寝前にコーヒーを飲んでおけば、深い眠りに入る前に目覚めやすくなります。

昼寝から目覚めたら、覚醒を促すために体を動かします。トイレで顔を洗う、階段をワンフロア上がるといったルーチンとセットにすると、頭を仕事モードに切り替えやすくなるでしょう。

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裴 英洙(はい・えいしゅ)
医師・医学博士、MBA。ハイズ代表取締役社長。金沢大学医学部卒業、金沢大学大学院医学研究科で博士課程を修了。慶應義塾大学大学院経営管理研究科修士課程修了。著書に『一流の睡眠――「MBA×コンサルタント」の医師が教える快眠戦略』など。

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(医師・医学博士 裴 英洙 構成=村上 敬 撮影=尾関裕士)